いわゆる健康食品の役割とは
進む規格基準作り、法整備


2月15日、安田生命ホール(東京都新宿区)で一般公開講座「いわゆる健康食品の功と罪」(主催:独立行政法人国立健康・栄養研究所)が開催された。この中で、「健康補助食品の規格基準」や「健康食品に関する相談の実態」などが報告された。

安全性と品質確保うたう「JHFA表示許可商品」、約900品目に(日健・栄協)

近年、健康食品を求めるニーズが一般消費者の間で高まっている。(財)日本健康・栄養食品協会 健康食品部長の槇氏は「健康補助食品の規格基準とJHFA表示許可について」と題した講演で、健康食品の安全性や品質管理対策のため、同協会で昭和61年にJHFA表示許可制度を発足した経緯を述べた。

同制度は、「医薬品と類似の形状で、且つ、健康管理に役立つ健康食品に対し、安全性と品質を確保する目的で、素材や成分の種類ごとに規格基準の作成を行う」もので、現在53規格(平成15年2月)の基準が設定され、許可商品は約900品目におよぶという。

また、健康食品の効果・効能表示に関する制度について、厚労省から見田氏(医薬局食品保健部企画課 新開発食品保健対策室保健機能食品係長)が、「いわゆる健康食品の有用性等に係る表示の規制について」と題して講演し、平成13年4月に創設した保健機能食品制度について述べた。同制度は健康食品の有用性に関してある程度明確にするために、一定の要件を満たしたものを「保健機能食品」と称するというもので、「特定保健用食品」と「栄養機能食品」の2つからなる。

「健康食品」に対する相談、年間10,000件を超える(国セン)

健康食品に係る制度が徐々に整備されている一方で、健康食品に関わる相談件数も増加している。国民生活センター 商品テスト部調査役の宗林氏は、「いわゆる健康食品に関する相談の実態と試験結果の事例」について講演し、ザクロ、イチョウ葉製品などに関する調査概要を報告。


同センターではここ数年、「健康食品」に対する相談が年間10,000件を超えており、そのうちの危害件数は400件を超え、同センターで調査している全商品のトップ3に常に入るという。

また、独立行政法人国立健康・栄養研究所 食品機能研究部長の斎藤氏は、「特定保健用食品の効果の事例と賢い使い方」について講演し、「近年、高齢化や生活習慣の乱れなどにより、血圧、血糖、コレステロール、中性脂肪値等の生活習慣病リスクが高くなっているが、特定保健用食品はこれらのリスクを下げ、健康の維持・増進に役立てることが出来る」とした。

講演後、会場からの「インターネット上での健康食品の誇大広告の規制」についての質問に対し、見田氏は「非常に大変な問題であると認識している。薬事とも連携してやっていかなければいけないと考えている」と述べた。


Copyright(C)2004 JAFRA. All rights reserved.