現在の日本における食品中の放射能制限の基準は、1986年に当時の厚生省がEC(現EU)の基準を参考に暫定として定めたもの。
ヨーロッパでは、ミルクや肉等乳製品や精肉を中心に基準値を設定しているが、日本では野菜までも明確に設定している。EC(EU)でも国ごとで規制値にバラつきがあり、例えばフィンランドではミルクのヨウ素131の規制値は2000Bq/kgだが、EC全体(ヨーロッパ共同体)では500Bq/Kgとなっている。
日本の場合、野菜類の暫定規制値は放射性ヨウ素は2000Bq/Kg、放射性セシウムは500Bq/Kgで、欧米諸国と比較しても非常に厳しい数値となっていると滝沢氏。
50mSv/年以下であれば問題ナシ
ふだん、人や食品は大地や宇宙からの放射線で少なからず被ばくしている。被ばくした食品を摂った場合、300Bq/kg(国内の飲料水、牛乳等の暫定規制値)の放射性ヨウ素131が検出された飲食物を1キロ摂取した場合の放射線量は0,007ミリシーベルト、500Bq/Kg(国内の野菜、穀類等の暫定規制値)の放射性セシウムが検出された飲食物を100g摂取した場合の放射線量は0,0007ミリシーベルトとなる。
人の場合、東京からニューヨークへ旅行した場合、片道で0,1ミリシーベルト放射線被ばくする。胃のX線集団検診を一回受けると0,6ミリシーベルトの放射線量を被ばくする。CTスキャンでは1回で6,9ミリシーベルトだが、いずれも安心レベルといえる。注意レベルが100〜1,000ミリシーベルト/年であり、50ミリシーベルト/年以下であれば浴びても問題ない、と滝沢氏はまとめた。