パイナップルセラミド〜潤い肌はフルーツで
〜ifiaJAPAN「第17回 国際食品添加物展・会議」

2012年5月23日(水)〜25日(金)、東京ビッグサイトで、「第17回 国際食品添加物展・会議および10回ヘルスフードエキスポ」が開催された。企業セミナーでは、今話題の機能性素材が紹介されたが、この中から丸善製薬(株)の「パイナップルセラミド〜潤い肌はフルーツのセラミドから」の機能性報告について紹介する。


セラミド、肌の保湿や潤いの鍵

パイナップルセラミドの機能性について担当者は次のように報告した。
セラミドはヒトの皮膚に多く含まれる成分で、皮膚の角質層の細胞間脂質の主成分として55%も含有、肌の保湿や潤いの鍵となる重要なものであることが知られている。

セラミドは皮膚の水分蒸発や外部刺激からのバリア機能といった重要な役割も果たし、皮膚の保護や保湿、アレルゲンなどの侵入防止などの機能も担っている。しかし、このセラミドは加齢とともに著しく減少することが知られており、そのため年齢を重ねることで乾燥肌や肌荒れといった皮膚トラブル、あるいは老人性乾皮症などの症状が増え、若年層であってもセラミドの減少や合成障害によりアトピー性皮膚炎の原因となることが明らかとなっている。

2010年には2億円を突破する市場規模に

そこで最新のスキンケア理論としてセラミドを内外から補うことに注目が集まっている。セラミド入りコスメやサプリメントなどの市場はここ数年急激な拡大傾向にあり、特に植物由来セラミドは、保湿性の向上や美肌効果などの生理活性が実証されているだけでなく、植物由来というイメージの良さが加わって、美容コンセプトのサプリメントやドリンクにも、もはや欠かせない美容素材の一つとして成長を遂げている。

同様の効果を発揮する美容素材にはコラーゲンやヒアルロン酸などがある。これらの素材とともに、セラミドの原料市場も右肩上がりで成長を続け、2010年には2億円を突破する規模へ成長している。

フルーツ由来のセラミド、パイナップルセラミドが注目

植物由来のセラミドとしては、これまでは原料を小麦・米・こんにゃく芋・コーン・キノコ類とするものが多く市販されてきたが、いま新たな植物由来、フルーツ由来のセラミドとしてパイナップルセラミドが注目されている。

セラミドといった美容成分に関心を寄せる多くの女性にみずみずしいフルーツは日常的に好まれているため、「フルーツ由来であるセラミド」はイメージ的にとても優れ、美肌素材として女性の購買意欲を刺激しやすいことが最大のメリットである。

ちなみにパイナップルの花言葉は「あなたは完璧」。このパイナップル由来セラミドが「完璧なお肌作り」をサポートするといったイメージと結びつけて商品展開することは、販売戦略としても効果的である。

肌の若々しさを保つ遺伝子の発現を促進

パイナップルセラミドの最大の特徴は、原料がパイナップルの果実であるということ。爽やかな甘酸っぱさ、トロピカルフルーツの女王として女性に大人気のパイナップル。パイナップルセラミドは果実、つまり可食部分からのみ抽出され、抽出・製造にも水・エタノール以外が不要であることから、安心・安全なだけでなく、「人と地球に優しい」新しい植物性セラミドであるということが、美容だけでなく、安心・安全、そしてエコに関心のある意識の高い本物志向の女性からも高い支持を得やすい。

パイナップル由来セラミドの皮膚への有効作用は大きく4つある。まず1つ目は乾燥を防ぎ肌のバリア機能をキープする作用である。そして2つ目はみずみずしい肌の潤いを保つ作用。3つ目は乾燥による肌のシワ・ゴワつきを改善する作用。そして4つ目が肌の若々しさを保つ遺伝子であるEGF、FGF-2などの発現を促進させる作用である。

女性の約73%が何らかの美肌効果を実感

これらはモデルマウスによる投与試験結果から明らかになっており、パイナップル由来セラミドを投与したモデルマウスは、角質層がもつバリア機能と肌の水分量を維持する保湿機能を高いレベルでキープし続け、乾燥による肌のシワをも改善。さらに若々しい肌を保つために必要な遺伝子(EGF、FGF-2)の発現を促進させていることが明らかとなり、皮膚機能の維持に遺伝子レベルで働きかけていることが解明されている。

ヒト試験はモニターレベルだが、既にダブルブラインドテストが実施されており、パイナップル由来セラミドを経口摂取した女性の約73%が何らかの美肌効果を感じたと報告し ている。パイナップル由来セラミドは、拡大するセラミド市場の中でもより高い支持を得る素材として注目されるだけでなく、経口、経皮どちらからの吸収でも効果があることから、今後様々な商品展開が期待できる。



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