こんにゃくセラミドのシワ改善作用
〜ifia JAPAN第19回 国際食品素材展セミナー

2014年5月21日(水)〜23日(金)、東京ビッグサイトで、「第19回 国際食品素材/添加物展・会議」及び「第12回 ヘルスフードエキスポ」が開催された。同展示会セミナーからユニチカ株式会社の「こんにゃくセラミドのシワ改善作用について」を取り上げる。


セラミド、加齢とともに含有量が低下

セラミドとは、肌の一番外側にある角質層の細胞間脂質の主要成分で、皮膚に付着する細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入するのを防ぐバリア機能や、体内の水分が外部へ蒸発するのを防ぐ保湿作用がある。

セラミドは加齢とともに含有量が低下し、それにより乾燥肌、肌荒れの原因にもなる。また、アトピー性皮膚炎もセラミドの含有量が少ないことがわかっている。

アトピー性皮膚炎の場合、外用薬としてグルコシルセラミドが用いられるが、全身への塗布には限界がある。グルコシルセラミドを経口摂取することでセラミドの全身への補給が可能となる。

セラミドを「こんにゃく芋」から抽出

こんにゃく芋には他の食物原料と比較して7〜15倍のセラミドが含まれているが、ユニチカではセラミドを「こんにゃく芋」から抽出することに成功。

そのため、高価なセラミドを低コストで提供することが可能になっただけでなく、こんにゃく芋による「安心して食べられるセラミド」として健康食品だけでなく、美容成分としても注目を浴びているという。もちろん錠剤や菓子、飲料などさまざまな応用ができる。

こんにゃくセラミドにはスフィンゴイド塩基が多く含まれるが、これを摂取した際、体内でセラミドを合成する遺伝子の生産促進に関わることが判明。植物性セラミドが体内で分解され、スフィンゴイドになり皮膚へ到達すると、保湿作用などの美肌効果を発揮するという。

実際に、こんにゃくセラミドの摂取試験を二重盲検法で実施した。各群15名、プラセボ群、こんにゃくセラミド20mg/日、こんにゃくセラミド40mg/日の3群で4週間継続摂取試験を行ったところ、こんにゃくセラミド摂取群のほうが肌の水分量が明らかに増加し、また摂取量の高い40mg群のほうがより高い水分量を示した。

参加者へのアンケートでは、摂取群はかゆみ、肌のきめ、はり、うるおい、つやなどの項目で明らかな改善効果が確認できたという。

表皮のセラミドやコラーゲンを増加

さらに、マウスの実験でも、こんにゃくセラミドの経口摂取で皮膚のコラーゲン量が増加することが確認できた。こんにゃくセラミドの構成成分であるスフィンゴイドがコラーゲン産生促進作用の活性本体であることが細胞試験で示されたという。

経口摂取したこんにゃくセラミドについては、腸管から吸収された後、生体内で分解され、生成されたスフィンゴイドが表皮のセラミドを増加させるとともに、コラーゲン量を増加させるというダブル効果で美肌効果を発揮していることが推測される。

しかし、消化管吸収や代謝、作用メカニズムについては明らかにされていない部分も多く、引き続き研究が必要だが、セラミドがアンチエイジング素材や美肌素材としてだけでなく、アトピー性皮膚炎の人にも役立つ素材になることが期待されるとした。


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