バイオジェニックス、健康・美容で幅広い用途〜「健康博覧会2016」セミナー

2016年3月16日(水)〜18日(金)、東京ビッグサイトで、「健康博覧会2016」が開催された。 同展示会セミナーより、潟潟^ニアルバイオサイエンスの「新機能性素材による自律神経調整」を取り上げる。


米ぬかで醗酵したバイオジェニックス

「腸内フローラ」という言葉が市民権を獲得し、乳酸菌や納豆菌が健康維持に非常に有益であることがよく知られるようになった。

腸内細菌にはいくつか種類がある。乳酸菌を中心に微生物自体が腸内細菌のバランスを整える「プロバイオティクス」。オリゴ糖などのようにプロバイオティクスの餌となる「プレバイオティクス」。そしてこれらの微生物の醗酵によって生成された「バイオジェニックス」。

バイオジェニックスに分類される素材の「LBSカルチャー」は、平成2年、乳酸菌、納豆菌、酵母菌の混合菌を厳選された米ぬかで醗酵することで作られ、現在、食品添加物としても使用されている。

タブレットやクリームなど幅広い用途

乳酸菌は人や動物の小腸に常在する安全性の高い有益な菌で、納豆菌は好気性のグラム陽性桿菌で、芽胞を形成するため、納豆の製造に用いられる。

また、酵母菌は清酒や醤油の醸造など、発酵食品を作る際に欠かせない。いずれも伝統的な飲料や食品の微生物を米ぬかで醗酵増殖させるという、非常に安全なバイオジェニックスである。

「LBSカルチャー」は、毒性もなく、ヨーグルトや納豆のように臭いや酸味もないため、どのような食品や飲料にも添加して使うことができる。

加工法としては、粉末加工だけでなくタブレット、その他の有効な添加物(例えば食物繊維である難消化性デキストリンなど)との合成、クリームやローションといった外用塗布にも応用でき、幅広い用途が見込める。

乳酸菌よりごくわずかな量で有用性を発揮

「LBSカルチャー」の最大の特徴は、培養物成分と加熱死菌から成り、生きた微生物は必要としないこと。

乳酸菌の効果訴求で、「生きたまま腸まで届く」ことをアピールしている商品も多い。しかし、最新の研究では乳酸菌は必ずしも生きている必要がないことがわかっている。

死んでいても有益なのがバイオジェニックスであり、乳酸菌といっても、生菌が血液に入れば危険であるという。

「LBSカルチャー」は生きた微生物を必要とせず、生菌が存在しない。そのため、製造所内での取り扱いも容易で安全である。

また、保存方法も簡単で(粉末保存)、耐性に優れ、耐酸性であることから、乳酸菌よりもごくわずかな量(1万分の1)で有用性を発揮するという。

現在、「LBSカルチャー」は、神戸大学、東京大学、大阪府立大学などとも共同研究を進めており、多数のエビデンスを獲得しているという。

腸内細菌の向上、便秘解消、アレルギー抑制効果、自律神経のバランスの調整、口腔内の機能改善効果、免疫系の機能改善効果、神経系の機能改善効果などが報告されているという。

マウス実験で炎症抑制作用など確認

腸内環境と自律神経が密接に関係していることはよく知られている。腸内環境のバランスが整うと副交感神経が優位になり、血流促進など健康維持に重要な役割を果たす。

また、「LBSカルチャー」は、経口摂取で体の内側からだけでなく、外用(塗布)によっても同様の効果が得られるという。

マウス実験で、剃毛したマウスの皮膚に「LBSカルチャー」配合のローションを塗布し、自律神経と血流がどのように変化するかを観察。

その結果、交感神経が明らかに抑制され、分血流量が増加、皮膚温度が上昇し、筋疲労の緩和、美肌作用、育毛作用、炎症抑制作用がみられたという。

また、アトピーモデルのマウスに経口摂取で「LBSカルチャー」を8週間投与したところ、投与前と比較し引っ掻く行動の回数が減少したという。

人による治験はまだ少ないが、筋疲労抑制作用と美肌作用についてもモニターを使い実験が行われている。

ロコモやサルコペニアが問題になっているが、運動する前日に体に「LBSカルチャー」配合のクリームを塗布し、翌日運動を行ってもらったところ(ソフトボール)、モニターの約80%が筋疲労を感じにくいと答えた。

さらに、2ヶ月連続塗布といった長期使用で五十肩改善、腱鞘炎の改善を報告するモニターもいたという。

また、美肌作用で、ローション、エッセンス、石鹸、クリームのそれぞれに「LBSカルチャー」を配合したものを20〜50代の女性20名のモニターに使用してもらった。

その結果、ハリの向上、シワの改善、色素沈着の改善、保湿感のアップといった効果が4分の3の人に見られた。また血流促進作用によりむくみが改善されたという。

「LBSカルチャー」配合の化粧品は、肌に合わない人がほとんどいないこともあり、今後美容商材に幅広く応用されることが期待されるという。


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