未病食品としての健康食品、メタボ対策時代に高まる期待〜「第1回食と健康フォーラム」開催

「第1回食と健康フォーラム」が、2008年9月5日(金)、東京ステーションコンファレンスで開催された(主催:株式会社食品化学新聞社、協賛:アダプトゲン製薬株式会社)。


痩せ志向の女性、将来的な骨粗鬆症の発症が懸念

江澤郁子氏(戸板女子短期大学学長・東京骨を守る会会長)は、「骨に危険な過剰ダイエット」と題して講演。そもそも体という文字は、骨と豊かという字からできていることからもわかるように、豊かな骨づくりこそ健康な体づくりであるとし、いつでも、どこでも、なんでも食べられる現代の食生活の中で、偏食や過食、欠食、間違ったダイエットなどの問題が生じていると指摘。近年の女性の痩せ志向による低体重者の増加は、将来の骨粗鬆症の発症に深く関わり、重要な課題であると警鐘を鳴らした。

社会環境の悪化によるストレスで健康を阻害

「10歳若返る美容と健康の秘訣」と題した講演では、公文裕子氏(山野美容芸術短期大学教授)が、実際に体を動かすことなどを提示しながら秘訣を披露。いつまでも若々しく美しく健康でありたいという願いは、老若男女、古今東西を問わず共通であるが、近年地球レベルで起きている温暖化や環境破壊に加え、複雑化する人間関係やデジタル化を加速させる社会環境がもたらすストレスなどが、若さや健康の維持を阻害していると指摘した。年齢は、実年齢だけでなく、皮膚年齢、見た目年齢、活力年齢、精神年齢などもあり、これらをケアすることも大事な秘訣であるとし、高齢化社会を健康で美しく生き抜くために、体の中から健康になろうと訴えた。

メタボ健診の開始で健康食品に興味を持つ医師が増えている

福生吉裕氏(日本未病システム学会常務理事・財団法人博慈会老人病研究所所長)は、今年から始まったメタボ検診(特定検診・保健指導)に合わせて講演した。「未病食品として進化する健康食品 〜メタボ健診時代への対応をめぐって〜」と題した講演で、福生氏は、まずメタボ健診の開始によって健康食品に興味を持つ医師が増えていることを挙げた。

メタボ健診が「未病の人」を明確に抽出し、これによって健康食品を必要とする「場と対象」もまた明確になり、健康食品の市場が活気づいてきていると分析した。一方、この健診は保健指導期間内での成果がより期待される時代を招来し、健康食品が新たな試練を迎えたとした。

健康と病気の間に存在する「未病」については、自立支援=保健指導を要するものと治療支援を要するものがあるが、どちらとも必要とするのは運動と栄養とサプリであろうと言及し、とくに特定保健用食品については、これからは特定健診に対応できるものとできないものに分かれてくるとの予見を示した。

今後、メタボ健診時代に対応できる未病食品への期待はますます高まっていくとした上で、この制度(特定健診・保健指導)によって、医療システムが変貌を余儀なくされるのではないかと示唆した。


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