「食」関連トピックス
ガン対策のための戦略的な統合医療とは
 〜「統合医療展2011」セミナー

2011年2月22日、23日、東京ビックサイトで、「統合医療展2011」セミナーが開催された。この中で、帯津三敬病院名誉院長の帯津良一氏が戦略的な統合医療について講演、昨夏のホメオパシーパッシングについても言及した。


帯津氏が自らの医療現場に代替医療を取り入れて30年近くになる。しかしながら、周囲の代替医療への理解はなかなか深まらないという。

昨夏の大々的なホメオパシーバッシングも、代替医療や統合医療への無理解によるもので、議論すら憚かられたと帯津氏。とはいえ、ガン治療に代替医療は必要不可欠で、戦略的な統合医療の啓蒙が重要であると解説した。

「場」の自然治癒力を高めることの重要性

帯津氏は「場」の持つ癒しの力について次のように述べた。
私たち人間は「場」に所属している。宇宙、地球、日本、そして家族や職場と、必ず「場」に存在している。患者さんは病院という「場」に所属する。

そもそも医療と医学は大きく異なる。医療は治療(ケア)と癒し(ヒーリング)を統合させた、「場」で行なわれる営みである。医師と患者さん、患者さんと家族の心の交流も含まれる。

治療とは病気を改善させることだが、癒しとは命のエネルギーである生命力を高めるこであり、マインド(心)やスピリット(精神)のケアなしではできない。

一方、医学は、学術的/科学的根拠、エビデンス、数字のデータ、実験/研究などが最重要事項で、プラシーボ(偽薬)は不要である。

昨夏のホメオパシーバッシングで、「ホメオパシーはプラシーボ効果にすぎない」という批判が多かったが、これは医療と医学の混同からきている。医学でプラシーボは不要でも、医療の「場」ではそれがどれほど重要か理解していない、と帯津氏。

医療とは、医師も患者も関係者も、そこに関わる全ての人が共有する「場」であり、皆で「場」のエネルギーを高める作業をしなければならない。

「場」の階層において、上の階層は下の階層を常に包括している。ガン治療では、各臓器を対処的に処理する医学より、病気やガンを包括している人間という「場」を高め、ケアすることが根本的な治療につながることは明らか。従って、西洋医療と代替医療を組み合わせた統合医療が必要となる、と帯津氏は解説。 

ホメオパシーやその他の代替医療に対して、「エビデンスが乏しい」という指摘も多いが、人間の生命のほとんどがまだ解明されていない、エビデンスなど揃えられるはずがないとも帯津氏は述べた。

代替医療の戦略的導入

次に重要なのが代替医療の戦略的な導入。コンピューター分析や確率論での診断ではなく、患者さんと一体になり、所属する「場」に存在する自然治癒力を引き出すことが大切。自然治癒力は必ず「環境」にあるという。

例え、病気で哀しみしかなくとも、それもまた豊かさ、自身を癒す力であると理解できれば、自然治癒力を高められる。「場」の他力の自然治癒力と哀しみからさえも生まれる自力の自然治癒力、この2つを統合させることが重要であるという。

高いエネルギーの「場」を皆で作り、心のケアを行ない、食事や運動などの養生を指導する、そこに治療と癒しを戦略的に加えることが本当に求められる医療、と帯津氏はいう。

死生観を持った医師、あるいは医療者の覚悟

患者さんに限らず、我々はだれでも死に対する恐怖や不安を抱えている。しかし医師や医療者は患者さんよりも死に近いところに立っていなければならない。それが患者さんの恐怖や不安を和らげることに繋がると帯津氏。

死生観をもたない医師に治療されるほど怖いことはない。死をクライマックスと捉え、肉体は大きなエネルギーを持ったまま死後の世界へ突入していくことをイメージし、自らの死生観と覚悟で現場に立っていると帯津氏はいう。帯津氏の病院では、統合医療を実践しているが、代替医療でも西洋医療でも、担当医が明確な死生観を持ち、治療を行なうことを最重要としているという。

食事も運動も心のケアも病気予防のためではなく、命のエネルギーを高め、「場」と自らの自然治癒力を高めるために、日々勝ち取って行く攻めの養生が大切。これまで、病気予防のために守りの養生が主流とされてきたが、これからは攻めの養生ということを理解してほしいと帯津氏はまとめた。

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