TOPIC
職場で、家庭で、ストレスが多い時代を生きる

ストレスをテーマとして始まった「平成20年度精神研都民講座」の、第3回・第4回が、2008年9月18日(木)、10月15日(水)、東京・津田ホールで開催された。(主催:財団法人東京都医学研究機構 東京都精神医学総合研究所、協賛:都立中部総合精神保健福祉センター他)
ストレスによる心の変化と体のサイン

第3回講座では、東京都精神医学総合研究所の榛葉俊一氏が「ストレスによる心の変化と体のサイン」と題して講演した。

成果主義や、生産性、効率、無駄ゼロなどの追求が、職場にストレスをもたらしていることをあげ、さらに、家庭においても、病気や介護といった健康問題、DVDや親子関係などの家族問題、それに情報化社会やいじめをはじめとしる教育問題などが、家庭内でのストレスをふやしているとし、心の病の推定患者数が増えていることを厚生労働省の調査データをもとに解説した。

ストレスは、避けられないことが多いが、予防したり、早く気づいて対応・治療することで影響を少なくすることは可能であるとし、体が発するサイン見逃さないことが大事であると注意を促した。

ストレスがあると、体の病気を発症したり、悪化したりするが、検査をしても異常がみつからないこともあり、心が出す体のサインについて、いくつかの例を挙げた。
1)心因性溌熱、2)蕁麻疹、湿疹、脱毛、3)不眠症、4)過敏性腸症候群などの腹痛、5)心因性の痛み、6)食欲不振・過食・拒食、7)心臓神経症(心臓ノイローゼ)、8)脈の変化、9)睡眠中の自律神経の変化、

ストレスのサインが見つかった時の対応としては、以下のことを挙げて解説した。

  1. 状況を理解する。(自分の状況、周囲や相手の状況)
  2. ストレスによる心の変化は珍しくないことを理解する。
  3. 体のサインを自覚する。
  4. 頭の中で考え過ぎずに、行動しながら考える。
  5. 一人で全てを解決しようと思わない。
  6. 人との比較ではなくて、その人にとっての目標設定があるはずだ。
  7. 人間の活動における可能性と限界。
  8. 人の心の大切さを意識する。
  9. 人の心を大切にする社会づくり。

がんを抱えたときの心構え

第4回講座では、国立がんセンター東病院臨床開発センター精神腫瘍学開発部・日本サイコオンコロジー学会代表世話人・内富庸介氏が、「がんを抱えたときの心構え」と題して講演した。

まず、心は、知識を意味する「知」、感情を表わす「情」、意思を表わす「意」からなり、とくに深刻な情報が伝えられた場合には、「知」と「意」の間に気持ちの準備ができてはじめて、心構え十分となる、知と情が揃って心構えとなる、と心構えについて解説した。

2007年4月にがん対策基本法が施行され、ガン医療の早期から心と体の緩和対策が推進されることになったが、精神腫瘍学は、がん予防から家族ケアまで、広く生活の質を改善させる手立てとして期待されているものの、まだ不十分であるとし、1984年の国際サイコオンコロジー学会の創設以来、がんが心に及ぼす影響と、心や行動ががんに及ぼす影響について調べており、とくに後者については、こういう心構えをするとがんに罹りにくくなった、がんの進行を遅らせることにつながったという結論は得られていない、と現状を述べた。

前者、つまりがんが心に及ぼす影響については、罹患したときの心構えとして、心の反応に関する知識と心の対処法を挙げ、5つのポイントを強調した。

  1. ストレス:大半は抑うつと不安。過去の困難時にとった方法を思い起こしましょう。
  2. 周囲のサポート:気持ちや気がかりなことを、まず人に打ち明けてみましょう。
  3. 代替療法:気が惹かれたら、まず医師に相談しましょう。不安の兆しかもしれません。
  4. サポートグループ:再発不安や自己の役割回復に大いに役立ちます。
  5. 専門家への相談:メンタルヘルスの専門家への相談は、あなたの弱さではなく、がん治療を行なう上ではむしろ強さなのです。

Copyright(C)2008 JAFRA. All rights reserved. | HOME >