ピロリ菌への作用、納豆の新薬効

7月10日(水)、経団連会館(東京都千代田区)で「『納豆の日』・新薬効・効能記者発表会」が開催された。当日は倉敷芸術科学大学(生命化学科)の須見洋行教授が「新しい納豆の薬効と効用」と題して最新の研究成果を発表した。また、第1回『納豆クイーン』表彰式が行われ女優の菊川怜さんが受賞の挨拶を述べた。

納豆のジピコリン酸、ピロリ菌に対する抗菌活性では臨床薬にも劣らない

納豆の有用性については、血栓防止作用がよく知られる。講演の中で、須見教授は、納豆に含まれるジピコリン酸が血液の性状に関与するとし、「納豆100g当たりには、約20.55±13.67mgのジピコリン酸が含まれる。ジピコリン酸は1.0〜5.0×10-3Mでdose dependentにヒト血小板の凝集を強力に抑制し、アスピリンに匹敵する強さである」ことを報告した。

また、これまでにO-157菌への抗菌作用なども確認されているが、今回、須見教授は、胃がんや十二指腸潰瘍の原因として疑われているヘリコバクター・ピロリ菌への作用について報告。「これまで、納豆菌発酵物中に病原性大腸菌O-157などに対する強力な抗菌活性を認め、報告してきたが、今回ある種の納豆菌抽出液中にピロリ菌に対する強力な抗菌活性を確認した」とし、その活性は臨床薬であるメトロニダゾール(塩野義フラジール)にも劣らないものであることが判ったとした。

また、超高齢化時代の到来により骨粗しょう症人口の増加が懸念されるが、納豆に多く含まれるビタミンk2が骨の形成に有用であることを述べた。

納豆の魅力、「整腸効果」「コレステロール低下」

近年、健康志向の高まりとともに、納豆の年間消費量も年々増加傾向にある。主催者の全納連(全国納豆連合協同組合連合会)では2001年1月に全国で、「納豆に関する消費者調査」を実施。 インターネットによるリサーチを行い、納豆の消費動向全般についての調査を行った(有効回答数:2,141)が、この中で、「食用頻度」については、「2〜3日に1回」が35.4%と最も多く、昨年度の31.8を上回った。

    

「食用頻度増加の理由」としては、「栄養が豊富なので」が74.0%、次いで、「健康によい効能・薬効があるので」が72.4%と、健康維持・増進に最適な食品として納豆への消費者の高い関心がうかがわれた。

また「納豆の薬効・効用の認知・魅力度」については、魅力度で「整腸効果がある」が88.5%でトップ、次いで「コレステロールを低下する」が88.4%、「血栓症を予防する(脳梗塞・心筋梗塞を防ぐ)」が87.8%、「骨を丈夫にする」が86.2%となった。

当日、第1回『納豆クイーン』表彰式が行われ、知性派女優として知られる菊川怜さんが受賞し、納豆は好物で常食していると挨拶した。


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