血液流動性の測定が食品機能評価及び未病の診断に有効

11月21日と22日の両日、大阪大学医学部銀杏会館(大阪府吹田市)で「第8回ヘモレオロジー研究会」が開催された。約半数の演題が食品に関するもので、各種の野菜や納豆菌培養物「NKCP」などで血液流動性の改善効果が報告された。 また、臨床医からはMC-FANでの血液流動性の測定が、生活習慣病の指導や現状の検査では把握できない未病の診断に有効であるとの報告が行われた。

納豆菌培養ろ液乾燥物「NKCP」に血液流動性改善作用

独立行政法人食品総合研究所の菊池佑二氏が開発した血液流動性測定装置(MC-FAN)のユーザーを中心に発足したヘモレオロジー研究会も8回目をむかえ、今研究会では医学、栄養学の研究者をはじめ、臨床医および臨床検査技師、機能性食品の開発に携わる食品メーカーの研究者などの幅広い分野の参加者を集めて、「基礎」、「食品」、「臨床」、「運動療法」の各分野で演題発表および、「血液レオロジーの新たなる展望」をテーマにシンポジウムが行われた。

この中で、納豆菌培養ろ液乾燥物「NKCP」に関して、摂取する前と2週間継続して摂取した時の血液流動性を比較するために、シリコンチップ上の毛細血管モデルを全血100μlが通過する時間をMC-FANで測定。その結果、摂取前では血小板の凝集が認められて通過時間も55秒程度であったのに対して、摂取後1週間目以降では血小板の凝集がほとんど無くなり全血通過時間も45秒前後まで短縮したことが判った。この事により、「NKCP」を継続的に摂取することで血液流動性を改善して血栓症等の予防に役立つ可能性が示唆された。

同書の中で鶴見氏は、免疫療法の必要性・有効性を実例をまじえて紹介しているが、免疫療法で注目されている機能性食品の一つ、米ぬかアラビノキシラン誘導体についても解説し臨床例を報告している。


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