腸内改善、ダイオキシン排泄などの有効性発表

10月24日(日)、東京国際フォーラムで「第8回キチン・キトサン協会講演会東京大会」が開催された。 演者に福地知行氏(静岡県立大学薬学部名誉教授)、光岡知足氏(東京大学名誉教授)、奥田拓道氏(愛媛大学医学部医化学第2教室教授)が招かれ、ダイオキシン排泄に対する有効性、腸内改善による免疫力の強化などキチン・キトサンの機能性などが紹介された。

ダイオキシン排泄など、極めて現代的なキチン・キトサンの機能性

講演のテーマは、福地知行氏が「キチン・キトサンと化学薬品」、光岡知足氏が「腸内フローラの機能と機能性食品」、奥田拓道氏が「陰・陽とキチン・キトサンA」。 この中で、福地知行氏はダイオキシン排泄におけるキチン・キトサンの有効性を指摘。「キトサンは体内において塩素を取る。食物繊維としてのキトサンはダイオキシン排泄に一番いい」とした。

オリゴ糖、腸内のビフィズス菌増殖に役立つ機能性素材

また光岡知足氏はオリゴ糖が腸内フローラの改善に有効であるとして、その作用を講演。「厚生省が機能性を認可している特定保健用食品150数品目のうち75%が腸内環境を整え、お腹の調子を良くするもの」と述べ、オリゴ糖のビフィズス菌増殖の役割を解説。さらに、オリゴ糖が免疫系に作用し、O-157感染など不安を抱える現代人の健康管理に欠かせないものであることを強調した。また、奥田拓道氏は、キチン・キトサンの持つプラス荷電の特性により、腸管内に存在し、マイナスに荷電した有害物質の排泄に関わることを示唆した。

キチン・キトサンの研究は1982年に農水省の後援により、「未利用生物資源バイオマス」10カ年開発計画がスタートして以来本格的に開始された。以降、鳥取大の平野教授(農学部)らが血中コレステロール値や中性脂肪値の低下を動物実験で確認。

また愛媛大の奥田教授(医学部)が食塩摂取の際の血圧上昇抑制作用を発表するなど、その有用性がマスコミでも大きくクローズアップされた。

これまでにもキチン・キトサンは工業用の凝集剤や医療用資材に用いられているが、健康食品としては1986年に富士バイオ(株)が初めて開発。年々順調な推移で市場が拡大している。キチン・キトサン協会は1991年に設立。


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