米及び米糠の有効成分明らかに

近年、大腸がん予防など穀類の機能性に世界的な関心が集まっているが、そうした中、米及び米糠の有効成分を明らかにする初の国際シンポジウムが京都で開催された。6月8、9日に国立京都国際会館(京都市左京区)で開催された、米の高度利用に関する第1回国際シンポジウム『DISEZSE PREVENTION BY IP6AND OTHER RICE COMPONENTS』 は国内外から30名の著名な研究家を迎えての招待講演、ポスターセッション、展示コーナーで構成。細胞生態学、癌の基礎研究、臨床医学、栄養学など幅広い観点から米及び米糠の社会的有用性が討議された。

30名の国内外の著名な研究家が米の有用性で意見交換

講演の主なプログラムは、1)イノシトールとIP6の生理活性作用、2)フェラル酸、米油、およびその他の成分の有用性、3)米糠に含まれる有効成分の化学・生化学。

この中で、「食物繊維の構成成分による大腸がんの抑制について(American Health Foundation研究員 B.S.Reddy)、「食物繊維と乳癌(American Health Foundation研究員 L.A.Cohen)、「米に内包される抗酸化剤の酸化的ストレスに対する防御作用(名古屋大学農学部教授 大澤俊彦)」、「米糠油の健康上の効能(熊本県立大学生活科学部教授 菅野道廣)」など米に含まれる成分の有効性がとりあげられた。

今回のシンポジウムは、世界で年間5億トン生産される米及び米糠に含まれる有効成分の作用機序を明らかにし、食品及び医薬品業界に資することを目的としたもの。

主催者側では「具体的な議論の展開によって研究・開発された生理活性物質が、広く世界の人々の健康増進と日常生活の向上に役立つことを期待している」としている。


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