4月24日、南青山会館(東京都港区)で「第2回ブルーベリー 機能性シンポジウム」(日本ブルーベリー協会主催)が開催された。今回はイタリアの植物エキスの抽出メーカー・Indena社のパオラ モラッツオーニ博士の他、7人の演者がブルーベリーの生理機能、視覚領域における臨床実績などを報告した。
近視調整作用も確認、糖尿性網膜剥離の予防にも
ブルーベリーの視覚改善作用に関しては、現在次のようなことが明らかになっている。人間の眼の網膜にはロドプシンという色素体が存在するが、それが光を感知し、脳に伝達することにより、物体が視覚認知される。このこのロドプシンは眼の酷使などで分解されるが、ブルーベリーに含まれる赤紫色の色素のアントシアニンは、ロドプシンの再合成を促進させ、視覚機能の回復に役立つ。
ウサギによる実験では、アントシアニンの投与後、ロドプシンの再合成により約10分後に暗がりでも視覚順応を示すということが確認されている。
また、大阪外大保健管理センターの梶本 修身医師は、「ブルーベリーの眼精疲労に対する臨床試験結果と応用」について講演し、特に「目の疲労感」、「肩こり・腰のこり」について顕著な改善効果が確認されたとした。試験は眼精疲労を自覚する20名の患者を対象とし、A群、B群10名づつ無作為に分け、A群はブルーベリーを28日投与した後、プラセボ(ブルーベリーの試験品と外観と味覚が全く同じもの)を28日間投与した。またB群ではプラセボを28日間投与した後、ブルーベリーを28日間投与した。ブルーベリーエキスの投与量については、1日2回に分け、合計250mgとした。
また、イタリアIndena社のパオロ モラッツオーニ博士による臨床報告では医薬品としても使用実績のあるブルーベリーの眼病に対する試験結果が発表された。
欧州では、200種近くあるといわれるワイルド(野生種)ブルーベリーの中でも、Vaccinium myrtillusが医薬品として長く用いられている。
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