12月1日、草月ホール(東京都港区)で「毎日野菜5皿分(350g)と果物200gを」をテーマに、「野菜フォーラム」が開催された。五明紀春氏(女子栄養大学教授)の基調講演と中村丁次氏(神奈川県立保健福祉大学教授)、太田裕美さん(歌手)を迎えてのパネルディスカッションが行われた。
野菜や果物の抗酸化物質、活性酸素制御に重要な役割
当日、第一部では、五明氏が「現代人の食物栄養学〜野菜」と題して基調講演を行った。この中で、五明氏は疾病の引き金となる活性酸素について次のように解説。「毎日呼吸している酸素を液体にすると、だいたいビールビン1本分くらいになる。このうち1%、5g分前後の酸素が身体の中で活性酸素になる。活性酸素は必要があって体の中で生まれてくる。この活性酸素はふつうの酸素よりエネルギーの高く元気がいいが、元気がよすぎて暴走してしまう。身体を損傷して動脈硬化、老化、がんなどを促進する」。
こうした活性酸素をどうコントロールするかが、疾病予防の重要なカギとなるが、この対抗力として野菜や果物の持つ抗酸化力を挙げ、「植物の葉はいつも直射日光を浴びていいる。紫外線を浴びると活性酸素が余計発生しやすくなる。そのため、活性酸素を防御するシステムが動物よりはるかに発達している」と述べ、野菜や果物に含まれる抗酸化ビタミンや抗酸化物質が、活性酸素の抑制に重要な役割を果たすとした。
「野菜は自己防衛により抗酸化成分が多く含まれている。野菜には抗酸化ビタミン以外にも抗酸化物質がたくさん見つかっている。果物についても同じことが言える」(同)。昔の人々は、そうした活性酸素に対抗する抗酸化物質を食生活に活用しようと、野菜を多く食べたという。
一方、家庭における生鮮野菜の購入量は、この15年間で約5%減少しており、現在、日本人の1人当たりの野菜の消費量が米国のそれを下回り、逆転現象がおきていると指摘。
野菜や果物のがん予防機能は世界の約5,000の研究からも明らかになっている。シンポジウムのまとめとして野菜の疾病予防効果について下記のようにまとめた。
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