サプリメントに関する強調表示は、米国でも違反が起こりやすく、特定の疾病や疾病の軽減、治癒や治療を暗示させるような表示が誤ってなされた場合は、FDAから事業所に警告レターが届く。
警告レターの内容としては「この商品は安全で効果があるとは認められず、新規の医薬品であるなら、FDAの許可なしに販売してはならない」といった強い警告で、これが届くと事業所はすぐに対応しなければならない。
「治療・予防」といった表現は不可
また、米国では一般食品とサプリメントの強調表示に関するルールが異なり、サプリメントは販売後30日以内に表示内容をFDAに届け出ることが義務付けられている。
そして、どのサプリメントにも「この表示内容はFDAの許可を受けたものではありません、この商品はいかなる疾病の診断、治療、治癒、予防を目的とするものではありません」と明記しなければならない。
「疾病リスク低減に関する強調表示」とは、いわゆる「ヘルスクレーム」のことで、具体的には「低ナトリウムの食事は、様々な疾病と関係ある高血圧のリスクを低減するかもしれない」といった表現の表示が該当する。
この「疾病リスク低減に関する強調表示」においては、すべての製品においてFDAによる販売前の審査・許可の対象となる。「疾病リスク低減に関する強調表示」においても「治療」「予防」といった表現は使用できない。
「条件付きヘルスクレーム」も
しかしエビデンスの検証を経た上で、高血圧などのコンディションに関するリスクの低減については表示することができる。医薬品とは異なるが、食品や栄養素に関する効果や効能についてかなり具体的に表現することが可能だ。
その一方で、検証やエビデンスについては厳格なものが求められる。そのため、承認が得られないケースも多い。また、エビデンスのレベルも細かく分類されている。
さらに「有効性を支持する根拠があるが、決定的ではない」といった「条件付きヘルスクレーム」もある。
条件付きヘルスクレームは表示が長く消費者には読みにくいというデメリットがあるが、FDAが許可していることで、食品成分の新たな機能性やその可能性を消費者に伝えることには貢献しているという。
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