食の安全フォーラム「特定保健用食品の上手な取り入れ方について」開催

平成18年1月24日(火)、浦和コルソホール(さいたま市浦和区)で、食の安全フォーラムが開催された。 当日、(財)日本健康・栄養食品協会の前崎祐二氏(特定保健用食品部 流通部会副部会長)が「特定保健用食品の上手な取り入れ方について」と題して講演。併設の展示室では、食品衛生や牛肉トレーサビリティについてのパネル展示や情報提供が行われ、参加者の関心を集めた。



生活習慣病予防に役立つ食品として特保食品が開発

前崎氏は、特定保健用食品の概要について報告。「病気は、遺伝的な要因、加齢、喫煙や飲酒といった生活習慣の3つの要因があいまっておきる」と述べ、とくに、 過度の飲酒、運動不足、喫煙、睡眠不足、栄養バランスの悪い食事、などの悪い生活習慣に起因して起こる「生活習慣病」により、日本人の3分の2が死亡している現状を指摘。

生活習慣病の予防に食事は重要な役割を果たすものの、「理想的な食生活は今の現状では難しい」として、国民の健康作りに寄与する特定保健用食品の役割について解説した。

特定保健用食品は、整腸、コレステロール、血圧、ミネラルの吸収、血糖値、骨の健康、むし歯、血中中性脂肪などにおける有用性の表示が厚労省により許可され、現在(06年1月現在)553品目が上市されている。
食品には、一次機能(栄養)、二次機能(味覚)に加えて、生体調節・防御、疾病予防・回復、老化防止などの三次機能(体調調節)があるとされ、とくに近年、健康志向の高まりから、三次機能が注目されるようになった。平成13年4月には、三次機能を有する食品の適正摂取を掲げた保健機能食品制度が設けられている。

また、前崎氏は、TVなどの健康情報についても言及。「短時間の情報のため、正確さに欠けるデメリットがある」と述べ、特定の食品の良い面ばかり強調されている、誰にでも効果があるようにいわれている、個人差、ライフスタイルの違いを考慮すべき、摂り過ぎに対する情報がない、などの点を指摘。「さまざまな製品が流通しているが誤った使い方をすると健康を損なってしまう」と注意を促した。

日健・栄養協で、健康補助食品のGMP認定制度をスタート

日健・栄養協では、健康補助食品の製造、販売に携わる1,250社の会員企業を擁し、業界の健全化のための指導を行うとともに、 公衆衛生上の観点から健康補助食品の規格基準の設定や認定制度の運営を行なっている。

O-157以降、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザなどの影響で、消費者の間で食の安全性についての意識が高まっており、健康補助食品の原材料についても品質管理の徹底が求められている。
そのため、同協会では、平成17年4月1日より「消費者に安全・安心な健康補助食品を提供する」ことを目的に、GMP(Good Manufacturing Practiceの略、「適正製造規範」の意)認定制度をスタートさせ、健康補助食品の、1)製造段階における人為的な誤りの防止、2)製品の汚染や品質低下の防止、3)個々の製品の品質の均質化など、管理体勢の充実化を図ることを企業に促している。

併設の展示室では、糖度測定体験(保健所 検査課)や食品衛生パネル展示(保健所 環境衛生課)、牛肉トレーサビリティ体験(食肉衛生検査所)などの情報提供が行われ、参加者の関心を引いた。


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