ちなみに10カテゴリーとは「マルチビタミン」「ギャバ」「黒酢・香醋」「コエンザイムQ10」「HMB」「ルテイン」「乳酸菌」「グルコサミン」「DHA・EPA」。
すると規定時間以内に崩壊しなかった商品や含有量も分析機関や分析手法でデータにばらつきがあることが判明した。
また100銘柄の中には消費者に誤解を与える広告表示をしている商品も少なからずあった。
救済制度の確立が必要
健康食品で健康被害があった場合、「ADR(裁判外紛争解決手続き)」にて、和解金の支払いや返金等の対応を行うケースもある。
また、健康食品では多くはないが、肝臓の機能障害が起こる薬物性肝障害が健康食品でも発症することがあり、稀に重症化した事例もある。
薬物性肝障害等の健康被害が医薬品で起こった場合は「医薬品副作用被害救済制度」というものがある。
適切に医薬品を使用したにも関わらず入院加療が必要となった場合に給付金が支払われる。
平成30年度の支給決定件数は1263件(83.1%)、不支給決定件数は250件(16.5%)、取り下げ件数は6件、総支給額は24億円であった。健康食品でもこのような救済制度を確立させる時期に来ているのではないか、と宗林氏は指摘する。
事業者と消費者のリテラシーが求められる
また、「消費者安全法」というものがある。消費者庁は、当該消費事故による消費者被害の発生や拡大の防止を図るため消費者に注意が必要と認められた場合、情報を公表したり注意喚起をすることが定められている。
これは行政処分ではなく、最終的な対応は事業者や消費者の個別の判断によるため、消費者事故が起こらないよう、事業者も消費者もリテラシーを高め安全が担保された商品の販売や購入を行うしかない。
特に健康食品については、さまざまなガイドラインに沿って安全性や有効性を確保するための自主的な取り組みが求められる。事業者と消費者の双方がリテラシーを高めて欲しいとした。
・