企業ごとに乳酸菌や菌株が異なるが、例えば明治では「乳酸菌1037-R1株」を使用したヨーグルトにNK活性増強効果やインフルエンザの抑制効果の可能性があることを報告している。
森永乳業の「シールド乳酸菌」は、免疫という言葉が表示としてまだ使えない中で「シールド=守る」という良いイメージを利用し、売れ行きも好調だ。
また、森永乳業のラクトフェリンは中国等の海外でよく売れている。
ビフィズス菌BS536には免疫力向上作用があることも報告されている。アサヒカルピスウエルネスは「ラクトバチルス・アシドフィルスL-92株」が腸管の免疫細胞に入り込み免疫機能を調整しアレルギー症状を改善することを報告。
また、ハウスウエルネスフーズの「HKL-137」は外の乳酸菌と比べて免疫賦活作用が高く、原料として加工食品に配合することで人気が高まっている。
大塚製薬の「乳酸菌B240」は摂取によって唾液中のIgA分泌量が増えることを確認している。また乳酸菌以外ではユーグレナ、パラミロン、ポリアミン、つばめの巣、エキナケアエキス末、レジストエイドなども免疫関連素材として人気が高まってきているという。
海外で免疫系サプリが需要増
米国や中国では、新型コロナウイルスの影響で「免疫賦活」や「健康維持」への関心が高まり、特に米国のサプリメント市場の成長率は昨年の12.1%が予測されている。
中でもマルチビタミン、プロバイオティクス、エキナセア、スピルリナなどが売り上げを伸ばしている。
中国ではビタミン、アミノ酸の需要が増加しているが、特に中国の武漢大学で新型コロナウイルス重症肺炎患者の治験にビタミンC点滴両方の臨床試験を開始したニュースなども話題となっている。
日本では、ビタミンC・Dやプロポリスが好調だ。日本では、免疫に関する積極的な情報発信により、栄養バランス、適度な運動、良質な睡眠が免疫力の向上に不可欠とされ、「免疫系」素材のニーズが増加している。
方向性としては「免疫力向上に直接的に関与する素材」と「免疫力維持・向上に必要な食事・生活サポート」の2種類がある。
前者は腸を活性するヨーグルトや発酵食品、後者は健康習慣をサポートする運動や睡眠関連のサプリメントなどで、免疫といっても幅広い製品・成分が関連している。いずれにせよ、今後もますます「免疫関連市場」が伸長することは間違いなさそうだ、と飯塚氏はまとめた。
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