全国の産業振興担当者が集まり地方に埋もれがちな1次産品をもっと売り込み、地元も日本ももっと元気にしようという共通の目的に向かって取り組んでいる「食品機能性地方連絡会」。今回は北海道・岩手・四国・長崎の4県の取り組みが紹介された。
北海道、ヘルシーDoをスタート
北海道は2013年、全国初となる北海道独自の制度「北海道食品機能性表示制度(通称:ヘルシーDo)」をスタートさせた。
ヘルシーDoは、いわゆる健康食品ではあるが、北海道が独自に認定した全国初の自治体認定による機能性食品表示制度である。認定商品は2020年で110品目、売り上げは累計で100億円突破。機能性素材は22種類を突破しているという。
この制度の運用には、道内の食品関連企業、大学病院、公設試験研究機関、道内の各市立病院、提携病院、診療所等が連携し、住民もボランティアで参加してもらうことで、ヒト介入試験も実現している。
そのため認定される商品は北海道産の機能性素材を含んだ道内で作られた加工食品であり、それぞれのエビデンスについては査読付き論文も公開されている。
ヘルシーDoとして認定された商品には「健康でいられる体作りに関する科学的な研究が行われたことを北海道庁が認めたもの」として表記することができる。
機能性成分のエビデンスも査読付き論文を条件としているため、トクホや機能性と比較しても遜色がないという。
ちなみにそれらの論文は「北海道機能性商品素材データベース」(北海道バイオ工業会)に公開されており、誰でも閲覧することができる。
国がリードしているトクホ制度や機能性表示食品制度よりもより小規模事業者でも参入可能で、北海道としてPRやバックアップもあるため、商品の信用力の向上などメリットもある。北海道の豊富な食材から「安全・安心・美味しい・健康」を国内外にもっと広めていきたいという。
岩手、健康産業の空白地帯
「健康産業の空白地帯」といわれる岩手。脳血管疾患死亡率はワースト1。機能性表示食品の届出も3つしかない。
しかし岩手県には海も山もあり、春夏秋冬通して食材は非常に豊富だ。岩手大学や岩手医科大学、岩手県の企業等でもそれぞれが食品成分の研究を行ってきたが、それをさらに発展させ「いわて農林水産物機能性活用研究会」が4年前に産学官連携で立ち上がった。
現在は、岩手発の農産物や加工食品で体に良いだけでなく地域の活性につながるように推し進めている。
しかし4年前の発足時はメンバーも「健康産業って何?」というレベルで、外部講師を読んでセミナーや勉強会を重ねることで、少しずつ健康産業を理解してもらえるようになってきているという。
現在は、内閣府の「地方創生推進事業」にも認定され、その補助金で「寒じめほうれん草(寒さに晒すことで3ヶ月、甘みやミネラルなどの栄養が増えている)」が機能性表示食品として認定され市場にリリースすることができるまでになったという。
寒じめほうれん草の認知度や売り上げは想定以上に伸びており(40%増)、生産者産や生産地が来年は増える見込みという。
四国、民間認証制度ヘルシーフォー
ヘルシーフォーとは「健康でいられる体作りに関する科学的な研究が行われたこと」を四国健康支援食品評価会議が認めたもので北海道のヘルシーDoとは違い、どの地域からでも参加可能というのがポイントである。
ヘルシーフォーの制度名もロゴも商標登録済みであり、制度の最大のセールスポイントとしてロゴやマークを貼るだけで「簡便に機能性を表示できる」という特徴がある。
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