トクホの許可・認証件数は2007年が年間143件でピークだったが、2018年は39件、2019年は22件と減少傾向にある。
しかしながら市場は2005年以降、約6,500億円規模で安定的に推移している。機能性表示食品との棲み分けや相乗効果が発揮できれば、トクホも今後さらに認知度や市場規模の拡大が十分期待できる。
トクホ商品、まだまだ期待
今回のフォーラムの大きなテーマであるSDGsでは、17の大目標が掲げられている。このうちの3つ目の目標が「すべての人に健康と福祉を」。この実現のために事業者・消費者・行政が連携し合うことが不可欠である。
特に「消費」については関係省庁、事業者、業界団体が連携を強化し、より柔軟で多様な政策を進めていくことが求められる。もちろん消費者にも「選ぶ責任」「使う責任」を意識した正しい消費行動を心がけることが求められている。
機能性表示食品制度が盛り上がる中で、特定保健用食品の成長や発展については若干トーンダウンしているような印象があるかもしれない。が、それでもトクホにはまだまだ期待が持たれている。
消費者がより適切な選択ができるように
今回、公正競規約や公正取引協議会の設立で、消費者により商品力や健康の維持・増進効果を訴求することができるようになった。
また現在のカルシウムや葉酸のように「疾病リスク低減表示」における対象成分や表示の拡大、さらに制度の運用の見直しや向上も検討されている。
機能性表示食品のデータが順調に蓄積していることは、トクホへの申請数の増大といった相乗効果につながる可能性もまだまだ十分ある、と伊藤氏。
消費者が、「トクホ」「機能性表示食品」「いわゆる健康食品」の違いを明確に理解し使い分けることができるようになるまでまだ時間がかかるかも知れない。
適切な選択ができ、「使う責任・作る責任」を意識したより良い消費社会の構築を目指したい、とした。
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