というのも消費者庁のホームページで公開されている届出書類に「アウトカムの設定にあたっては、欧州食品安全機関(EFSA)が発行しているガイダンスを参考にした」と記載がある。
コロナを意識しこれから「免疫」で機能性表示を目指すのであれば他社も「EFSAのヘルスクレーム」を徹底的に研究するべき。
EFSAでは腸の健康・抗酸化・体重管理・身体能力などについても科学的根拠に関するガイドラインを出している。これらも大いに参考になる。
機能性表示食品制度は年々進化している。特に検証事業の報告書が制度や受理に大きな影響を与えているため、ガイドラインだけでなく、検証事業報告書も必ず精読した上で申請すると、新成分・新機能であってもまだまだ伸び代がある、と武田氏。
消費者庁「事後チェック指針」を踏まえた留意点
また、柿野賢一氏(健康栄養評価センター)は「新たなヘルスクレームの科学的根拠をまとめる際に、消費者庁「事後チェック指針」を踏まえた留意点とは?」について以下のようにまとめた。
トクホでは「測定可能な体調の指標」「身体の生理機能、組織機能」が取り扱い範囲のメインであったが、機能性表示食品では「身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的出ない体調の変化の改善に役立つ旨」というものがある。
そのためトクホにはなかった「一時的なストレス」「疲労感」「睡眠サポート」などが機能性表示には多く認められていることが特徴といえる。
一方で「身体の状態を本人が自覚でき、一時的であって継続的、慢性的出ない体調の変化の改善に役立つ」案件については、消費者庁によって今年の4月1日から運用が開始されている「機能性表示食品に対する食品表示等関係法令に基づく事後的規制の透明性の確保等に関する指針(事後チェック指針)」を今まで以上に精読すべきである。
常にエビデンスチェックが必要
例えば、この「事後チェック」には「主要アウトカム評価項目は、通常1つに設定する」ということが明記されているが、主要アウトカムは一つであるべきで、表示する機能性について有意な結果が得られていないものはだめ。
表示する機能について主要アウトカムが複数設定されている場合に、いずれかのアウトカム指標が有意な結果でないといった混在がある場合はそれを説明しないといけない。
他にもヒト試験における群間有意差の条件について、消費者庁が出しているガイドラインの条件を全てクリアしているかなどについても、一度受理されたものについても再確認する必要がある。
ここに来て届出撤回の件数が増えているため、届出企業はやはり「受理」されたと安心することなく、常にエビデンスのチェックやアップデートされる制度の情報を注視する必要がある、とした。
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