しかし、朝食で水溶性食物繊維を摂取した場合の方が、腸内の代表的な善玉菌はより増加し、悪玉菌はより減少傾向になることも示され、「いつ摂るか」について意識することは重要、と柴田氏。
さらにマウス試験で、アレルギーを発症させたマウスにいつアレルゲンを与えると症状がひどく出やすいかを調査した。その結果、朝にアレルゲンとなる物質(この場合は卵白)を食べさせた方が症状が出やすいこともわかった。
体内時計が乱れると感染症リスクが高まる
また、マウスをインフルエンザに感染させた場合、朝に感染させた方が肺炎や体重減少がより起こりやすく、致死率も高まった。
一方、最もよくないのは「時計遺伝子を持たない」マウスで、この場合は時間にかかわらず、インフルエンザの発症率や致死率が高くなった。
つまり、私たち人間も、体内時計が乱れた状態(不規則な睡眠や食事など)では感染症のリスクが高まる可能性が十分にあり得る。
では、体内時計を整えるにはどうしたら良いのか。一般的には睡眠や食事を大切にすることだと知られているが、ある小中学生7235人を対象に調査を行った。
その調査では「和食の朝食」を摂取しているグループは「洋食の朝食」や「口に入ればなんでもいい」「食べない」グループと比較して、「早寝早起きをしている」「体力に自信がある」「就寝前のスマホの利用を制限している」といった項目の割合が高かった。
また同じ調査で、朝食からどれくらいタンパク質を摂取しているかを調べたところ、和食の朝食グループが一番タンパク質をしっかり摂取できていることもわかったという。
体内時計や整えるには朝食(和食)が望ましい
和食は炭水化物・脂質・タンパク質の割合を適正に保ちやすいという特徴があるのではないか。
体内時計や時計遺伝子を整えるために朝食が不可欠であることは間違いない、それには和食が望ましいのではないか、と柴田氏。
コロナ感染拡大で非常事態宣言が発令された昨年の4〜5月。「あすけん」という食事サポートアプリが行った約3万人の調査でも、「朝食重視派と夕食重視派では夕食重視派の方が太りやすい」「夕食重視派の方が睡眠が遅くなる」などの結果が得られている。
また最低でも10時間程度の絶食時間がある方が健康を維持できるという調査結果もあるという。
最新の体内時計研究から分かる免疫に関する知見とは、「早朝はウイルス感染や抗原侵入に注意が必要な時間である」、「朝食を利用すると(特に和食)健全な体内時計と健全なライフスタイルが維持しやすい」とまとめた。
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