細胞そのものにアプローチ
しかし最新の研究では「ある腸内細菌」がNADを産生してくれるということもわかってきており、そこまで高額なサプリメントに頼る必要もないかもしれない、というところまできている。
いずれにせよ「細胞そのものにアプローチする」ことが新しいトレンドであり、アメリカではサイエンスもビジネスもこの流れにシフトしつつある。
そして「細胞」というトレンドが台頭してくれば、これまでの抗酸化・抗糖化・抗ストレス・アンチエイジング全般が「対処療法」となる可能性が高い。
「細胞の若返りや健全」に良いとされる食品成分はこれまでほとんど見つかっておらず、納豆などに含まれるスペルミジンくらいしか知られていなかった。
「ウロリチン」、ミトコンドリアを再生
そして、ここにきて最も注目すべき素材に「レスベラトロール」のほかに「ウロリチン」がある、と藤田氏。
ざくろに含まれるポリフェノールのエラル酸は、人間の腸内の微生物によって代謝されると「ウロリチンA」を産生する。
このウロリチンAはミトコンドリアの再生機能があることが明らかとなり、この6月にサプリメント成分として国内で初めてリリースされた。
「ウロリチンA」についてはこれまでも研究されてきていたが、ざくろなどエラル酸を含む食品を摂取しても、腸内細菌の条件が整わないと「ウロリチンA」は産生されないこともわかっていた。
そのため、食品素材原料として開発されることが長年期待されていたが、それがようやく実現した。
ホメオスタシスを整えることが必要
また、「ウエルエイジング」のほかにアメリカのトレンドのもう一つのトレンドとして「ホメオスタシスを整える」というものがある。
人の老化の速度には大きな個人差があるが、細胞のダメージをミニマムにするには「免疫系」「自律神経系」「内分泌系」の3つのホメオスタシスを整える必要があると考えられるようになってきている。
この3つ=全体を整えるにはホリスティックな視点や商品が必要だと考えられるようになってきており、アダプトゲンハーブやブレインフード、CBD、さらにマインドフルネス市場が非常に盛り上がっている、と藤田氏。
「対処療法」ではなく根本を見直そうという流れ
日本は「コロナ不安」や「コロナ鬱」が最も深刻な国とされるが、大麻というだけで拒絶反応がある日本国内においてCBD市場が米国ほど伸びることはなかなか難しいかもしれない。
しかし、今、同じように3つのホメオスタシスを整える食品成分として「腸ツボ(小腸)」を押すことができる「白いパラミロン(不要性のβグルカン)」に注目が集まっている。この商品は「EOD1」という商品で機能性表示取得も完了している。
いずれにせよ最新のトレンドやマーケティング戦略として「対処療法」ではなく「細胞そのもの」「ホリスティック」という根本を見直そうという流れがある。
例えば、世界的に台湾ブームが起こっている。これも台湾がコロナに対応できているのは日頃からの食養生(台湾薬膳)で、そもそも免疫力を高めているからではないかとか、日本の「養生」に注目すべき、という考えも出てきている、と藤田氏はまとめた。
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