機能性関与成分トップはGABA
機能性表示食品制度はかなり認知され、現時点での特定保険用食品は1074件、対して機能性表示食品は3905件が認可されている。
しかもそのうち生鮮食品が105件で、制度としても優れたアドバンテージになっている、と森下氏。
現時点で「表示されている機能性のトップ9」は「脂肪(体脂肪、内臓脂肪、中性脂肪などを含む)」が1082件、「糖(吸収を押さえる、血糖値の上昇を緩やかにするなど)」が578件、「整腸・便通改善」が472件、次いで「血圧」「疲労感(目の疲労感は除く)」「認知機能・記憶力」「目」「睡眠」「ストレス」と続く。
また「機能性関与成分トップ6」については、GABAが466件、難消化性デキストリンが373件、乳酸菌・ビフィズス菌類が292件、DHA(EPA含む)が233件、ルテイン(ゼアキサンチン含む)が170件、イチョウ葉由来が132件で、これまで断トツで多かった難消化性デキストリンをGABAが抜いた。
生鮮食品82件の届出状況については、82件のうち77件の農産物は「GABAが含まれる血圧が高めの方の血圧を下げる機能」がある「みかん」などが中元・歳暮などの贈答品用として高い人気を誇っている。
制度は常にアップデートされている
また農産物・水産物の5件については、「カンパチ(DHA・EPA)」「ぶり(DHA・EPA)」「鶏卵(DHA・EPA)」「豚肉(イミダゾールペプチド)」「鶏肉(アンセリン・カルノシン)」。
この制度は常にアップデートされているが、中でも大きな成果の一つとされるのが「平成30年度 軽症者データの取り扱いに関する調査・検討事業」。
これまで「曖昧だ」と事業者から指摘されていた3領域(アレルギー・尿酸・認知機能)の軽症者のデータの扱いについて、対象被験者、評価指標及び機能性の確認方法等の検討・調査が行われ、平成31年にはそれぞれの軽症者の扱いがはっきりとした形でガイドラインでも改正された。
よってこの3領域で届出を考えている事業者は届出をトライしやすくなった。
消費者庁に「ヘルスケア表示指導室」新設
また「事後チェック指針」が発表され、それに伴い消費者庁の中には「ヘルスケア表示指導室」が新設され、ここが事後チェック指針の運用を行っている。
他にもヘルスケア表示指導室は景表法の執行を行なったり、業界団体と連携し、機能性表示食品の公正競争規約の相談対応や、健康食品全般のインターネット監視事業の企画・立案などを行い、第三者機関と連携している。
事業者はこのあたりの動向も学びそれぞれの窓口を活用することで、差し戻しや却下などのやりとりを極力少ない回数で届出受理まで持っていけるのではないか、と森下氏。
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