5月10日、東京国際フォーラムで「第126回キチン・キトサン協会研修会」(主催:キチン・キトサン協会)が開催された。当日、糸日谷秀幸氏(理学博士)や奥田拓道氏(熊本県立大学教授)らが、キチン・キトサンと天然にがりの研究成果について最新報告を行った。
病気予防の5原則「食事・排毒・整腸・血液・免疫」
2001年秋に「天然にがり研究会」が設立され、奥田氏、糸日谷氏らは、天然にがりの有効性について研究をおこなってきた。研究対象として用いた天然にがりは南半球の南緯7度に位置するインドネシア・マドウラ島産のもので、海洋環境が良好なことから、純度が極めて高いことで知られる。
奥田氏は、「キチン・キトサンと天然にがりの効用効果」と題して講演し、天然にがりのがん細胞のアポトーシス(自壊)作用からダイエットまで多様な働きを紹介。抗腫瘍についての実験では、ザルコーマ180というがん細胞をマウスの腹腔内に移植後、5匹に8倍希釈の天然にがりを毎日0.5mlづつ4日間(1日1回)飲ませ、残りの5匹には水だけを与え、4日後に腹水を注射器で少量採取し、細胞の状態をみたところ、天然にがりを与えたグループのマウスの腹腔内のがん細胞は消えたが、水だけを与えたマウスのがん細胞は増殖していることがわかったという。
また、糸日谷秀幸氏は「キチン・キトサン&天然にがりの働き」と題した講演で、「食事・排毒・整腸・血液・免疫」が病気予防の5原則であるとし、キチン・キトサンと天然にがりがどのように関わっているかについて述べた。
「食事」に関しては、戦後、塩や穀類の精白化が進み、現代人のミネラル摂取不足が指摘されているが、天然にがりにはマグネシウム、亜鉛など微量元素が多く含まれるとした。
また、「排毒」については、キチン・キトサンが優れ、「シマジン、クロロサニールなどの農薬、水銀、カドミウムなどの有害金属を吸着して排出する。ダイオキシンについても体外排出を促進する」とした。
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