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2023.7.18保健機能食品の現状についてウェルネスフード推進協会シンポジウム ウェルネスフードにおけるエビデンスのあるべき姿とヘルスケア産業の未来

2023年6月22日(木)、「ウェルネスフード推進協会シンポジウム ウェルネスフードにおけるエビデンスのあるべき姿とヘルスケア産業の未来」が、日本橋ライフサイエンスハブとオンラインにて同時開催された。ここでは消費者庁 食品表示企画課の新井剛史氏より発表された「保健機能食品の現状について」を取り上げる。

消費者庁 食品表示企画課 新井剛史

日本の保健機能食品とは、国の制度に基づいて食品に機能性を表示することができる食品のことであり、現状「栄養機能食品」「特定保健用食品」「機能性表示食品」の3種類が存在する。いわゆる「健康食品」には法律上の定義はないが、「栄養機能食品」「特定保健用食品」「機能性表示食品」が広義の健康食品に含まれる、と説明。

「栄養機能食品」は、食生活において栄養成分の補給を目的として摂取する人に対し、当該栄養成分の機能を表示するもので、主に20種類のビタミン・ミネラルが該当する。栄養機能食品として販売するためには1日あたりの摂取目安量に含まれる当該栄養成分量が定められた上下限値の範囲内にあることが必要であり、その条件さえ守られれば個別の許可申請の必要はなく、自己認証制となっている。また「特定保健用食品」は、食生活において特定の保健目的で摂取する者に対し、その摂取により当該特定の保健目的が期待できる旨の表示を行うものであり、表示については消費者庁の許可が必要となる。疾病リスクの低減表示も可能だ。いずれも消費者委員会への諮問と許可が必要で、最終製品を用いたヒト臨床試験も必須であるため、最短でも許可が降りるまでに2年ほどの期間が必要となり、申請希望の事業者からはハードルが高いと指摘され続けている。しかし、特定保健用食品は制度がスタートしてから30年の歴史があり、許可商品が勢い良く増えているわけではないが、現時点で1064件の商品がある。そして「機能性表示食品」は規制緩和計画の一環として平成27(2015)年4月にスタートした。すでに述べたとおり、栄養機能食品は20種類の栄養成分に限定されていることや、特定保健用食品では食品ごとに有効性や安全性に係るヒト試験が必須であること、そして許可手続きに時間と費用がかかることなどが、中小事業者にとって高いハードルとされてきた。それを解消すべく「機能性表示食品」では「事業者の責任で科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示する」ことが可能となり、また必ずしも最終製品のヒト試験ではなく「文献評価(システマティック・レビュー)を可能としたこと、生鮮食品でも表示を可能としたことなどで、多くの事業者が参入できるようになった、と説明。実際、2015年のスタートからわずか7年で届出件数は6000件を突破しており、届出者(事業者)の所在地も全国に渡り、中小含めた幅広い事業者が参入していることが確認できていることを報告。機能性表示食品のスタートで特に期待されたのが生鮮食品の分野であったが、現在は農産物149件を含む182件の届出があり付加価値の高い生鮮食品は国内外問わず注目を集めており、これからも届出商品の増加が期待されていると話した。

それぞれ異なる特徴がある日本の「保健機能食品」であるが、これら3つの制度を成立させるためには「それぞれの製品の安全性」はもちろん、記載されている健康効果の「科学的根拠」や「表示されている情報の正確性」が担保されていることが何よりも重要であると新井氏。そのために消費者庁は市場に流通している「特定保健用食品」や「機能性表示食品」を無作為に調査対象として買い上げ、許可資料に記載された分析方法に則って消費者庁が外部専門機関に委託して分析試験を行う「買い上げ調査」を実施している(平成29年〜)。令和3年の買い上げ調査結果は、100品目(98社)調査し(特定保健用食品が17品目、病者用の特別用途食品が2品目、機能性表示食品が81品目)、関与成分等が申請資料の記載通りに含有されていなかった品目は機能性表示食品の1品目(1社)であったという。

機能性表示食品は制度の透明性を高めるために制度そのものが数回以上アップデートされているが、中でも「事後チェック指針」については事業者が自主点検や自主規制の取り組みを円滑に進めることに役立っているのではないか、と話す。 一方、高齢化社会が進むにつれ、消費者一人一人のヘルスメディケーションやヘルスケア意識は高まっているが、食品表示に関する意識調査を行なった結果、3つの保健機能食品について「どのようなものか知らない」と回答する人がまだ20%程度、またこれらの食品を「一度も摂取したことがない」と回答する人も40%程度いると報告。消費者庁としては、各事業所への届出バックアップやデータベースの提供、制度のアップデート、関連団体との連携だけでなく、消費者へ「保健機能食品」の認知度を上げ活用してもらうための動画作成やリーフレット作成など、今後は消費者教育にも更なる力を入れていきたいと話した。

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