2008年新健診制度の施行、本格始動する予防ビジネス
2008年3月18日(火)〜19日(水)、パシフィコ横浜で「統合医療展2008」が開催された。(主催:CMPジャパン株式会社)
第4回目となる今回は、今年から変更になる健診制度によって、健保組合や国保などの保険者に健診・保健指導の実施が義務付けられ、中長期的医療費削減策として、厚生労働省が糖尿病等の生活習慣病予備軍を平成24年度に対20年比で25%減少させることを打ち出したことなども影響し、海外を含む企業やクリニック、学会などの団体、NPO法人など、120を超す参加があった。
統合医療の主なジャンルをゾーニング
展示ホールでは、訴求対象によって5つにゾーニング。補完医療ゾーン、癒し医療ゾーン、クリニックゾーン、抗加齢美容医療ゾーン、予防医療・メタボリック症候群対策ゾーンで、参加者は製品やサービスなどを提供し、医療の新しい形を提案した。この分類は、入場者にも好評であった。
医療実践セミナーや学会フォーラムも連日盛況
両日とも、展示のほかセミナーやフォーラムを開催。今回のイベントに合ったタイムリーなテーマや講師は、参加者に好評であった。
医療実践セミナーでは、医師や歯科医、栄養士、医療コンサルタントなどの専門家が統合医療の具体的な実践法を講演。
「『特定保健指導』に求められるスキルと『統合医療』今後の形」(高輪メディカルクリニック院長・東海大学医学部教授 久保明氏)では、4月からスタートする特定保健指導に関連して、国民の健康維持・疾病予防に寄与し、医療費高騰を抑制するためには、医師、管理栄養士、保健師、健康指導士らの指導者が相互連携を図り、予防を軸とした新しい医療の形を作る必要があると強調した。
「特定保健用食品・サプリメントの市販後調査と臨床応用について」(金沢大学大学院医学系研究科臨床開発補完代替医療学特任教授・日本補完代替医療学会理事長 鈴木信孝氏) では、石川県芳珠記念病院の補完代替医療外来で実施している特定保健用食品や健康食品の市販後調査(臨床データの収集、安全性・有効性に関するエビデンスの構築、患者への正確な情報提供)を中心に、臨床現場における各種食品の効果的な応用にあたっての課題を報告した。
このほか、「高濃度ビタミンC点滴療法の臨床応用〜副作用がなく強力な抗腫瘍効果を発揮する治療とは」(日本腫瘍学会理事・健康増進クリニック院長 水上治氏)や 「免疫システムに作用する機能性食品の臨床応用」(埼玉医科大学保健医療学部保健医療科学科教授・学科長 和合治久氏)など10を超えるセミナーが行なわれた。
学会フォーラムでは、以下のテーマをはじめ8つの講演が行なわれた。
「代替療法家によるホリスティック医療への取り組み」(NPO法人日本ホリスティック医学協会常任理事・港北治療院院長 石橋建三氏)「未病と機能性食品」(日本未病システム学会 御茶ノ水女子大学大学院教授 近藤和雄氏)「日本における抗加齢(アンチエイジング)医学とは」(鶴見大学歯学部教授 齎藤一郎氏)