【 2013/3 】

緑茶やコーヒーの飲用で脳卒中のリスクが減少

緑茶を毎日2杯以上飲む人やコーヒーを毎日1杯以上飲む人は、飲まない人に比べ脳卒中になるリスクが1〜2割低い---。
3月16日付けの朝日新聞で、国立循環器病研究センターや国立がん研究センターなどの疫学調査でコーヒーや緑茶の飲用により脳卒中のリスクが低下することが分かったと報じている。

対象となったのは、秋田や高知など8県に住む40〜70代の男女約8万人。研究の結果、緑茶やコーヒーを飲む頻度が高いグループほど脳卒中のリスクが下がる傾向にあったという。

ちなみに、国立がん研究センターでは、藤田保健衛生大などのグループとともに、今後、自身の10年間の脳卒中の発症確率を予測する算出法を作成している。 脳卒中を発症しやすいものとして、喫煙、肥満度指数、血圧、降圧剤の服用、糖尿病、年齢、性別の7つの要因を掲げ、これらの組み合わせにより今後10年間に脳卒中を発症する確率がほぼ予測できるとしている。算出方法は、国立がん研究センターの多目的コホート研究に掲載されている。http://epi.ncc.go.jp/jphc

最近、国立がん研究センターでは、肉やバター、乳製品に含まれる飽和脂肪酸の摂取量が少ないと脳卒中になりやすくなるということも発表している。 対象となったのは、岩手や長崎など8県の45〜74歳の男女約8万2千人。約11年間の追跡調査で、飽和脂肪酸の摂取量が、最も多いグループは最も少ないグループに比べ、脳卒中の発症リスクが23%低かったという。

脳卒中以外の、コーヒーや緑茶の健康効果についての最近の報告では、コーヒーの果実は脳に有益な影響を与える可能性があると、British Journal of Nutrition誌13.1月号が報じている。Applied BioClinical, Inc、FutrureCeuticals, Inc、NutraClinical, Inc研究者グループが、健常被験者25人にコーヒー果実濃縮粉末、グリーンコーヒーカフェイン粉末など、それぞれ100mg与え、対照(プラセボ)群と比較したところ、学習や記憶、行動に重要な役割を果たすと考えられる脳由来神経影響因子の値が、コーヒー果実濃縮粉末群で143%増加したことが分かったという。


緑茶については、緑茶の飲用は消化管癌の予防に有用であると、American Journal of Clinical Nutrition誌12.11月号が報じている。Vanderbilt University Medical Center研究者グループが、Shanghai Women's Health Studyのデータを分析。平均11年間の追跡研究により、定期的に緑茶を飲む群では、全消化器官癌のリスクが17%低下していることが分かったという。

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