【 2013/4 】

DHA(ドコサヘキサエン酸)、高齢者の死亡率を低下

DHA(ドコサヘキサエン酸)の分解物質に重症のインフルエンザを治す効果がある--。
4月1日付けの朝日新聞が、そうした研究内容を報じている。DHAはサバやアジなど青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸で、秋田大の今井由美子教授らの研究グループが動物実験で確認したという。

研究では、今井教授らが、インフルエンザウイルスをマウス6匹に感染させ、感染の12時間前と後にPD1を静脈注射したところ、6匹が全て生き残ったという。また、マウス6匹の肺に直接ウイルスを感染させ、重症のインフルエンザ患者と同じような状態にしたが、PD1を加えると全てが回復したという。

サバやアジなどの青魚で重症のインフルエンザが快方に。そうなると、日頃からDHAの摂取に留意したくもなる。ただ、DHAが多く含まれる魚をたくさん摂り、体内でPD1が増えるかどうかについてはまだ明らかではないということだ。

日本人の魚離れが叫ばれるようになって久しいが、海外では魚の健康効果が見直され、寿司ブームが起きている。アジア・パシフィック・ジャーナルの2012年統計によると、日本国外に推定16,000軒の寿司屋があり、うち3,846軒がアメリカにあるという。アメリカでは、2000年から2005年までに寿司の消費量が40%もアップしているという。  

DHAのようなオメガ3脂肪酸の有用性については、うつ病の改善や認識能力の向上などこれまでにも数多く報告されている。
最近の報告では、オメガ3脂肪酸は高齢者の死亡率の低下に有用であると、JAMA Annals of Internal Medicine誌13.4月号が報じている。Harvard School of Public Health研究者グループが、65歳以上の2,700人が参加したCardiovascular Health Study(16年)のデータを分析したところ、DHA、EPA、DPAを含むオメガ3脂肪酸の血中濃度が最も高い群では、全死亡率は27%低いことが分かったという。


また、American Journal of Clinical Nutrition誌13.4月号では、オメガ3脂肪酸が若年者の記憶力の改善に有用と報じている。Massey University、University of East Anglia、Northumbria University研究者グループが、18歳から45歳の健常成人176人を対象に、DHAサプリメントを1.16g/日、またはプラセボを6カ月間与え、コンピュータ認知試験を行ったところ、DHA投与群はプラセボ群に比べ、反応時間が20%増加したという。

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