【 2013/6 】
ココアのポリフェノール、糖尿病予防に一役
このところ糖尿病関連のニュースが相次いでいる。5月半ばには、日本糖尿病学会と日本癌学会による研究で糖尿病の患者はがんになるリスクが1.2倍高いことが報じられた。なかでも肝臓がんや膵臓がんは2倍程度と高いという。
6月には厚生労働省研究班が、体重が1.5kg未満で生まれた低体重出生児の3割近くが成人後に痩せ過ぎや糖尿病になりやすい傾向にあることを調査結果から公表した。調査は1990年に1.5kg未満で生まれた66人を対象にBMI(体格指数)や血中インスリンなどを調べた。
低体重出生児の誕生については、妊娠適齢期女性の過激なダイエットによる「栄養不良」や「喫煙」が要因と考えられている。
低体重出生児は成人後、糖尿病などの生活習慣病を発症しやすいという説(バーカー説)もある。1920〜30年代に生まれたヨーロッパ人は母子の健康状態や栄養状況が現代と比べて劣っており、追跡調査したところ、成人期に冠動脈疾患、高血圧、糖尿病といった生活習慣病に罹患しやすいことが分かった。
さらに、6月には国立がん研などの研究チームが牛肉や豚肉の摂取増は糖尿病の発症リスクが高まることを報告している。それによると、牛肉や豚肉を多く食べる男性は、あまり食べない男性と比べると糖尿病の発症リスクが4割高くなるという。
研究は日本人の健常者で45〜75歳の男女6万4千人を対象としたもので、肉の摂取量で4グループに分けたところ、最も肉の摂取量の多いグループは最も少ないグループに比べて1.36倍発症リスクが高かったという。研究チームは牛肉や豚肉の鉄分が膵臓の炎症を招き、インスリンの分泌低下をもたらしたものと考えているという。
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