【 2013/7 】

オメガ3脂肪酸、前立腺癌リスク高める可能性

奥歯の噛み合わせが悪いと動脈硬化に繋がる可能性---。
6月26日付けの朝日新聞でそうした調査結果が出たと報じている。研究は、阪大や東京都健康長寿医療センターなどのチームによるもので、兵庫県伊丹市と朝来市在住の70歳の男女300人を対象に奥歯の状態と動脈硬化の関連について調べた。

結果、奥歯の噛み合わせが全くない人は全てある人たちに比べ、およそ2倍近く動脈硬化になりやすいことが分かったという。この原因として、噛み合わせが悪いと緑黄色野菜や果物や魚介類をあまり食べないことが考えられるという。

緑黄色野菜や果物、魚介類には高齢者の健康に有益な栄養成分が多く含まれる。欧米で65歳以上の高齢者の失明原因のトップといわれる加齢黄斑変性症に緑黄色野菜に含まれるルテインやゼアキサンチンなどのカロチノイド色素が有用とされている。

Journal of the American Medical Association誌13.5月号に、ルテイン+ゼアキサンチンは加齢黄斑変性進行リスク低下に有望という研究記事が掲載されている。 National Eye Institute、National Institutes of Healthなどの研究者グループによるもので、50歳から85歳の加齢黄斑変性進行リスクがある4,203例を対象に、ルテイン+ゼアキサンチン、DHA+EPA、ルテイン+ゼアキサンチンおよびDHA+EPA、またはプラセボ群に割り付けた。
結果、5年の加齢黄斑変性の進行確率は、プラセボ群は31%、ルテイン+ゼアキサンチン群は29%、DHA+EPA群は31%、ルテイン+ゼアキサンチンおよびDHA+EPA群は30%を示したという。

DHAやEPAは、サバなどの青魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸で、高齢者の認識力の向上に役立つことが報告されている。しかしその一方で、懸念されるのがオメガ3脂肪酸による前立腺癌リスクである。


Journal of the National Cancer Institute誌13.7月号では、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いと、前立腺癌のリスクが上昇する可能性があると報じている。
Fred Hutchinson Cancer Research Center(米国)研究者グループが、35,550人が参加したSelenium and Vitamin E Cancer Prevention Trialのデータを分析したところ、オメガ3脂肪酸濃度の最高群は低悪性度前立腺癌リスクが44%、高悪性度が71%増加していることが分かった。また全体的に前立腺癌リクスが43%高くなっていることが分かったという。

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