【 2013/9 】

レスベラトロール、心血管有益性の妨害に関連

9月25日付けの朝日新聞で、1日に2合以上飲酒する女性は、時々しか飲酒しない女性に比べ、脳卒中のリスクが2倍以上高いことが分かったと報じている。
研究は、国立がんセンターなどの研究班によるもので、岩手や長野など全国9カ所に居住する4万7千人を17年間追跡調査した。

記事によると、アルコールを週に300グラム以上飲用する人は、月に1〜3回しか飲まない人に比べ、脳卒中になるリスクが2.3倍、脳内出血では2.85倍と高いことが分かったという。また、週に150〜299グラムでも脳卒中のリスクが1.55倍高かったという。

適度の飲酒の健康効果については、これまでにも数多く報告されている。卒中についても1日に2杯までの飲酒は、リスクを半分にするというコロンビア大学の研究グループの報告もある。
今回の国立がんセンターの研究班が報告した、週に300グラムの飲用というと、1日平均で日本酒2合、ビールでは大瓶2本以上となる。適度な飲酒の健康効果も、取り過ぎは弊害となる一つの目安を示したものといえる。研究者らは、女性は男性よりアルコールの代謝が遅く、男性と同じ量を飲んでも体にかかる負担が大きいと考えているという。

近年、赤ワインの飲用の健康効果が喧伝されているが、最近の研究で、その弊害が報告されている。赤ワインに含まれるレスベラトロールの摂取は高齢者の運動による心血管有益性の妨害に関連すると、Journal of Physiology誌13.8月号で報じている。
University of Copenhagen研究者グループが、約65歳の身体不活動健常高齢者27人を対象に行った研究で、被験者は高強度運動トレーニングを8週間行い、半数にはレスベラトロールを250mg/日与え、残り半数にはプラセボを投与した。結果、プラセボ群では、血圧、血中コレステロール値、最大酸素摂取量、血漿脂質プロファイルの改善が認められたが、レスベラトロール投与群では、血圧、血中コレステロール値および最大酸素摂取量への有効性が減少したことが分かったという。


ただ一方で、レスベラトロールの血流の改善の効用についても報じられている。レスベラトロールは肥満者の心臓の健康維持に有望と、Journal of Hypertension誌13.6月号で報じている。
University of South Australia研究者グループが、肥満ではあるが健康に問題の無い成人被験者(平均BMIが33.3kg/m2)28例に、レスベラトロールサプリメント(75mg/日)か、プラセボを6週間与えた。結果、BMIおよび血圧には変化が認められなかったが、血流および血管の健康指標であるFMD(血管依存性血管拡張反応)が23%改善したことが分かったという。

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