【 2014/1 】

オメガ3脂肪酸、魚油よりオキアミのほうが約2倍高い

日本の和食が健康・長寿食として世界的に注目されている。最近では、なぜか日本のラーメンまでもが海外で人気だが、ともあれジャパニーズ・フードが世界でこのようにもてはやされているのは、人々がその健康効果を実感しているからであろうか。

2014年1月24日(金)、東京海洋大学品川キャンパスで、「日本黒酢研究会 第一回学術研究会」が開催された。この黒酢も日本で200年の歴史を誇る健康に有益な伝統食材である。

この黒酢の機能性について、鹿児島大学農学部 候 徳興氏が「黒酢の免疫賦活作用および黒酢もろみ末の高血糖抑制効果」と題して講演した。 ここで挙げられたのが、黒酢の脂質代謝改善作用・高血圧抑制作用・糖代謝改善作用・肝機能改善作用などの有用性。

黒酢の壷の底に残る不溶性醗酵残渣が「黒酢もろみ」でこれを乾燥・粉末化させたものが「黒酢もろみ末」だが、これにも、抗アレルギー作用・血清コレステロール低下作用・抗腫瘍作用などの有用性が動物実験や臨床実験で報告されている。 また、動物実験で、マウスの脾臓のNK細胞の活性が有意に増加したことが認められているとした。

こうした黒酢以外にも、さまざまな日本の伝統食材の機能性が海外で注目され、研究が盛んに行われている。最近の報告では、Nutrition Research誌2014.1月号で、魚油に含まれるオメガ3脂肪酸のDHAは、減量の可能性が示唆されると報じている。

University of Sheffield、Obsidian Research研究者グループが、過体重および肥満女性40人を対象にDHAまたはオレイン酸を投与する二重盲検、無作為化、並行群研究を行った。期間は12週間。

結果を分析したところ、DHA投与群では体重が研究開始時の5%減少した。この数字は有意な効果ではないが、DHA群では、全体の39%が5%減少に達したという。

ところで、こうしたオメガ3脂肪酸指数の上昇については、魚油よりオキアミのほうが約2倍高いことも報告されている。Lipids in Health and Disease誌2013.12月号に掲載された記事によると、Richardson Centre for Functional Foods and Nutraceuticals研究者グループが、健常被験者24人を対象に、3相、二重盲検、無作為化、プラセボ対照、交差試験を行った。

被験者は、オキアミ油サプリメント6カプセル、魚油サプリメント、またはプラセボ(対照群としてコーン油)投与群のいずれかに割り付けられた。結果、オキアミ油サプリメント投与群は魚油群と比べ、血漿および赤血球におけるオメガ3指数の変化が約2倍高かったことが分かったという。

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