【 2014/2 】
緑茶、コレステロールや血圧改善に有用
「寒い」と身震いすると、運動と同様の効果が得られる----。
2月5日付けの朝日新聞で、米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが健康な男女を対象にした実験で、寒さでの身震いによる運動効果を明らかにした、と報じている。
運動により、イリシンというホルモンが分泌される。このイリシンは、余分なエネルギーを皮下脂肪として溜め込む細胞に作用し、脂肪を燃焼させる。寒さによる身震いで、イリシンの分泌量が増えることが分かったという。
研究では、室温を27度から徐々に12度に下げていき、男女10人の自転車こぎでの体の変化を調べた。結果、27度に比べ、12度では身震いの回数が平均約2倍に増え、イリシンの分泌量が増えた。身震いが3倍だとイリシンの分泌量は6倍になったという。
「寒さ」による身震いが、運動と同様、イリシンの分泌を促し脂肪の燃焼をもたらすというのであればこれほど安上がりなメタボ対策もない。
コレステロールや血圧改善のメタボ対策に関する最近の研究報告では、緑茶が血圧およびコレステロール値改善に有望であると、Nutrition, metabolism and Cardiovascular Diseases誌2014.2月号で報じている。
冠動脈疾患は米国で死因のトップを占めているが、その主要なリスク因子はLDLコレステロールの上昇にあると考えられている。研究では、University of Washingtonなどの研究者グループが、1,536人の参加者を含む無作為化臨床試験20件の系統的レビューおよびメタ分析を行った。
その結果、緑茶飲用のグループはプラセボ群に比べ、収縮期血圧が1.94mmHg低下、拡張期血圧も差が認められなかった。また、全およびLDLコレステロール値の低下と関連することも分かった。ただ、有用成分のエピガロカテキンガラートが200mg以上(約5〜6杯)になっても、有益性が高まることはなかったという。