【 2014/3 】
オメガ3脂肪酸、血圧降下などメタボ対策で注目
肥満大国といわれる米国では、肥満からくる心臓病や動脈硬化、糖尿病などの対策のためにさまざまなダイエット法が考案されている。中でも、その機能性が注目されているのが、オメガ3脂肪酸による抗コレステロール作用など。
2014年3月12日(金)、東京ビッグサイトで、第32回「健康博覧会」が開催された。同展示会のセミナーで、宮下和夫氏(北海道大学大学院水産科学研究院 教授)が、褐藻のアカモクに含まれるオメガ3脂肪酸やフコキサンチンの機能性について講演した。
宮下氏によると、アメリカのスーパーの多くで海苔や昆布が売られるなど、海外で海藻ブームが起きており、その機能性が注目されているという。
海藻の中でも、とくに注目が集まっているのが色のついた褐藻の脂質。この色はオメガ3脂肪酸とフコキサンチンによるものである。
フコキサンチンは、天然の色素成分で、ヒト試験で、肥満の白人女性に1日24mgのフコキサンチンを摂ってもらい、プラセボ群と比較したところ、フコキサンチンを摂った群は、16週で体重、体脂肪、肝臓脂質、血液脂質の全てで減少が見られたという。
アカモクは東北地方や北海道などの日本海沿岸で豊富に生育しているが、難消化性食物繊維も多く含み、腸内での有用性が期待。メタボ対策での、ニーズが高まることが予想されるという。
オメガ3脂肪酸に関する最近の研究報告では、オメガ3脂肪酸の魚油の高摂取は動脈石灰化予防に有望であると、Heart誌2013.3月号で報じている。
University of Pittsburgh研究者グループが、2002年-2006年時に40-49歳の日本国内の日本人男性214人と米国内の白人男性152人を対象にした研究で、血中の長鎖n3多価不飽和脂肪酸濃度を調べた。
その結果、白人男性と比べた日本人男性の冠動脈石灰化発生率は著明に低くかったという。日本人男性の魚の平均摂取量は約100g/日だが、白人男性は7〜13g/日だった。