【 2014/10 】
リンゴの皮、関節の健康維持に役立つ
2014年10月8日〜10日、東京ビッグサイトで、食品開発展2014が開催された。同展示会は1990年よりスタートし、今年で25回目を迎える。食品分野の研究・開発、製造者に向けた展示会で、セミナーではこれまで多くの企業が機能性素材のプレゼンテーションを行っている。
今回、JAFRAではこの中から、日油鰍フ機能性成分「ホスファチジルセリン」、コンビ鰍フ機能性成分「ソイポリア」を取り上げた。「ホスファチジルセリン」は、リン脂質の一種で、人の脳内に多く存在し、ドーパミン、セロトニンといった神経伝達物質の分泌量を亢進させる働きをする。
機能性で期待されているのが、高齢者の認知機能の向上。米国ではFDAが、「高齢者の認知機能障害のリスク低減」についての限定的健康強調表示を認可しているといわれる。
また、コンビ鰍フ「ソイポリア」は同社が開発した、食用大豆を原料としたポリアミンをサプリメントにしたもの。ポリアミンにはスペルミジン、スペルミンといったものがあり、人や動物の体内で合成される、しかしながら加齢とともに体内での合成量は減少していく。
ポリアミンの機能で期待されているのが、変形性膝関節症対策。膝の関節軟骨がすり減り、骨が変形し、痛みを生じる疾病で、加齢や肥満によりもたらされる。
これらはどちらも高齢化対応の素材として今後の需要が期待される。
「ホスファチジルセリン」についての最近の報告では、大豆ベースホスファチジルセリンはストレスを抱えた男性に有用と、Lipids in Health and Disease誌2014.8月号が報じている。
ドイツ、スイス、イスラエルの研究者チームによるもので、健常男性被験者75人を対象に、二重盲検、プラセボ対照試験を行った。被験者を、ホスファチジルセリン(PS)200mg/日およびホスファチジン酸複合体(PA)200mg、PS 400mgおよびPA 400mg、プラセボに振り分け、6週間の影響を観た。
結果、400mg投与群は、プラセボ群に比べ、高ストレスの指標である、唾液コルチゾル(p=0.043)および血清コルチゾル応答(p=0.035)を正常化することが分かった。また200mg群では、有意な差異が認められなかったという。
また、関節炎対策については、Journal of Medicinal Food誌2014.10月号で、リンゴの皮は関節の健康維持に役立つと報じている。