【 2014/12 】
フランス海岸松樹皮エキスのピクノジェノール、風邪の症状を軽減
12月のJAFRAヘルシーインタビューで国際オーソモレキュラー医学会会長の柳澤厚生氏にご登場いただいた。柳澤氏は点滴療法研究会の会長も務め、自らも鎌倉のスピックサロンメディカルクリニックにて、ビタミンCの高濃度点滴などで患者の治療にあたっている。
今夏、日本ではデング熱の感染者が出て、健康被害の拡大が心配された。また、世界では鳥インフルエンザやエボラ出血熱の感染拡大が懸念されている。
こうした感染症は、人が元来持っている免疫力の低下と関連しており、背景には、栄養素の欠落があることが指摘されている。エボラ出血熱についても、発生地域を俯瞰すると、土壌にセレニウム(Se)が足りない地域での発生がみられると柳澤氏はいう。
セレニウムは、生体に微量ながらも必須とされる必須微量元素で、ブロッコリーやマッシュルーム、キャベツ、セロリなどに含まれる。
土壌にセレニウムが少ない地域で、がんの死亡率が高いことも報告されている。米国で土壌のセレニウム濃度が高い、サウスダコタ州西部にあるラピッドシティはがんの死亡率が全米で最も低い。一方、米国で土壌の濃度が最も低いオハイオ州は、サウス・ダコタ州の2倍近くがんの死亡率が高い。
同様な調査は他20州以上でも行われ、セレニウム摂取の低いところは白血病、結腸がん、直腸がん、すい臓がん、乳がん、前立腺がんなどの罹患率が高いことが指摘されている。
柳澤氏によると、1995年のエボラに関する論文で、エボラはセレニウム(Se)依存の可能性があり、エボラウイルスは増殖する際、セレニウムをものすごく必要とする。エボラやHIV、サーズ、ブタ・鳥インフルエンザの流行は土壌にセレニウムが少ない地域から始まっており、土壌にセレニウムがたくさんある地域からは発生していないという。
セレニウムは抗酸化力に優れ、酸化ダメージを防ぐ。感染症の発生の防止には、抗酸化成分の摂取が有用と柳澤氏はいう。セレニウム以外にも、抗酸化力が高いものにビタミンCがある。柳澤氏によると、放射線傷害で遺伝子が損傷するが、その80%は活性酸素によるもので、そのため、放射線傷害の防止にビタミンCが有用であるという。