【 2015/1 】

グルタチオン、免疫増強に関与

米国をはじめ、先進諸国で国民医療費が年々高騰している。
日本における国民医療費も39兆円(2013年)と毎年更新を続けており、政府も今春から健康食品の機能性表示の緩和に舵を切るなど、国家戦略として医療費の削減に向けての動きを見せている。

医療界においても、医療費の抑制で、この10数年、従来の伝統・伝承医療と近代西洋医療を融合させた「統合医療」の導入が検討されるようになってきた。

1月28〜29日の両日、東京ビッグサイトで「統合医療展2015」が開催された。同展示会では、とくに機能性やエビデンスにフォーカスを当てた健康に有用な素材の紹介を行っている。

企業セミナーでは、予防医療という観点から、免疫アップに関与する素材が多く紹介されたが、JAFRAでもこの中から自然免疫応用技研鰍フ「自然免疫力を高める素材LPS」を取り上げた。

LPSとは糖脂質リポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)のことで、正常な免疫を維持する機能を有する機能性成分で、明日葉、ワカメ、メカブなどに多く含まれる。

また漢方薬にも共通して含まれ、中でも葛根、甘草、人参などに多く含まれており、LPSが漢方の薬効に関与しているのではないかという研究もなされているという。

こうした免疫力の調整に関与する素材に関して、最近の報告では、グルタチオンのサプリメントが免疫力の増大に有用と、European Journal of Nutrition誌2014.11月号で報じている。

Penn State University研究チームによる研究で、平均年齢46.6歳の健常成人被験者54人(うち41人は女性)を、プラセボ投与群、グルタチオンサプリメント(協和発酵社製Setria)250mg/日、または1000mg投与群に割り付け、6カ月間観察した。

6カ月後、平均グルタチオン濃度をみたところ、高投与群では赤血球、血漿、リンパ球で30〜35%、口腔細胞では260%増加したことが分かった。低投与群でも、血中および赤血球で、それぞれ17%、29%増加していた。ナチュラルキラー細胞の細胞傷害性は、高投与群ではプラセボ群に比べ2倍に増大したという。

グルタチオンに関しては、JAFRAヘルシーインタビューで紹介した、点滴療法研究会会長の柳澤厚生氏が、パーキンソン病の週1で患者にグルタチオンの点滴を4年行ったところ、パーキンソン物質が消失したことも報告している。

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