【 2015/8 】

アミノ酸摂取、動脈の健康維持に有用

2015年8月30日(土)、有楽町朝日ホールで、オーソモレキュラー特別講演会「毎日を元気に生きる栄養と食べ方の秘訣」が開催された。

今回の講演会では日本ではじめて栄養療法専門クリニックを開業した栄養療法の第一人者である溝口徹氏、また人気番組「主治医が見つかる診療所」の栄養番長としておなじみの姫野友美氏、そして特別講師に食育のスペシャリストである服部幸應氏の3人がそれぞれ最新の「栄養」と「健康」の関わりについて講演した。

この中で、服部氏は「食育とダイエット」と題して講演。「食べる環境」こそ重要とし、病院食の味気なさや食べる際の環境が良くないことを述べた。60年代の頃の話というが、現在もその指摘はさほど的外れといえなくもない。

「美味しい」という快感は、体内でセロトニンやドーパミンを増やし免疫力を高める。周囲が病人ばかりでは、食べる際に「快」刺激が得られることはないであろう。

高齢化に伴い、さまざまな病気へ罹患する高齢者も増えるが、そうした高齢者に必須の栄養素として今注目されているのがビタミンD。

十分なビタミンDの摂取で骨折や認知症のリスクを低下させることができることも報告されている。 まさに高齢者に必要な栄養素だが、在宅高齢者への食事宅配サービスにビタミンDサプリメントを加えるとビタミンD濃度が上昇すると、Journal of the American Geriatrics Society誌15.8月号で報じている。

Wake Forest Baptist Medical Center研究チームが、在宅高齢者への月1回の食事宅配サービスプログラムを通したビタミンDサプリメント(100,000IU/月)の提供は有効かどうか、65〜102歳の在宅高齢者68人を対象に一重盲検、クラスター無作為化試験を行った。被験者38人にはビタミンD3(100,000IU/月)を、30人にはプラセボを5カ月与えた。

その結果、転倒事故発生については、ビタミンD投与群はプラセボ群の半分だったことが分かったという。

  また、加齢とともに動脈の健康にも留意する必要があるが、アミノ酸摂取は動脈の健康維持に有用であると、Journal of Nutrition誌15.8月号で報じている。

University of East Anglia、King's College London研究チームは、18〜75歳の女性双生児1,898人のデータを分析し、アミノ酸(アルギニン、システイン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、ロイシン、チロシン)摂取が動脈硬化、アテローム性動脈硬化に及ぼす影響について調べた。

その結果、アミノ酸の高摂取は低摂取に比べ、中心収縮期圧(cSBP)、脳波伝播速度(PWV)、中間動脈圧(MAP)の低下をもたらしたことが分かった。また、動物性タンパク質より植物性性タンパク質による摂取の方がcSBPが低下したという。  

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