最近の報告でも、American Journal of Clinical Nutrition誌06/1月号に掲載された記事によると、University of Maryland研究者グループが、60歳から98歳の被験者535人の食習慣やライフスタイルを調査したところ、ぬかや玄米、オートミールなどの全粒粉穀類を多く摂っていたグループ(3杯分/日)は摂取の少ないグループ(1杯分未満)と比べて、高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓病のリスクが半分以下になっていることが分かったという。
また、魚はω-3系脂肪酸を含み、アルツハイマーや鬱、心臓病などの予防に役立つとされているが、前述のガイドラインでも、1週間に8オンスの魚の摂食を薦めている。ちなみに、FDA(米食品医薬品局)も、ω-3系脂肪酸が心臓病予防に有用であることを認めている。
ハーバード大学が40歳から84歳までの男性医師2,0551人を対象に、ω-3系脂肪酸と心臓病との関連について研究を行ったところ、週に少なくとも1回魚を食べている者は
心臓発作などの突然死の危険性が52%低下したことが分かったという報告もある。
さらに、FDAが「心臓疾患のリスクを軽減する」という効能表示を許可しているのが、大豆。
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FDAでは、1999年に、大豆プロテインの1日25g摂取はコレステロール低下をもたらし、心臓病のリスクを軽減するという健康強調表示を製品に認める判断を下している。心臓病大国である米国で、魚と大豆の摂食による心臓疾患のリスク軽減効果はもはやお墨付となっている。
ただ、最近のニュースでは、Circulation誌が、American Heart Association(米国心臓病協会)委員会が大豆プロテインに関する研究論文22件を分析したところ、19件に関して、大豆イソフラボンについてはLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値の低下に影響を及ぼさないことが分かったとも報じている。FDAは評価の見直しを求められるかも知れないとされ、今後のさらなる研究が待たれる。
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