【 2006/4 】

緑茶やコーヒー、糖尿病の発症リスクを軽減

4月20日付けの朝日新聞で、文部科学省の大規模調査により、緑茶やコーヒーに糖尿病の予防効果があることが判明した、と報じている。それによると、大阪大の磯博康教授らが、40歳-65歳の男女(糖尿病、ガン、心臓病に罹患していない)、1万7,413人を対象に追跡調査(5年間で444人が糖尿病を発症)したところ、緑茶を1日6杯以上飲む人は週1杯未満の人に比べて糖尿病の発症が33%少ないことが判ったという。

日本では、糖尿病発症者の推定人口が全国で1,370万人といわれている。II型糖尿病(インスリン非依存)が95%を占め、栄養の偏り、運動不足など日頃の生活習慣が発症原因とされている。
糖尿病に関する最近の報告では、Diabetes Care最新号に、カルシウムおよびビタミンDが糖尿病のリスク低減に有用であるという研究報告が掲載されている。
それによると、Tufts-New England Medical Centerの研究者グループが、Nurses Health Studyに参加した83,779人のII型糖尿病に関するデータを分析したところ、カルシウム(1200mg以上)とビタミンD(800IU以上)を毎日摂取すると、II型糖尿病の危険性が33%低減することが分かったという。特に、カルシウムは1200mg/日以上を摂取した場合、600mg未満に比べ、21%低くなっていることも分かったという。

また、前述の研究で、コーヒーの糖尿病予防効果も報告されている。それによると、コーヒーを1日3杯以上飲む人は、週1杯未満の人に比べ糖尿病の発症リスクが42%減少 していることが判ったという。


コーヒーの功罪についてはさまざまいわれているが、 糖尿病予防に関しては有用であるとの報告が幾つかある。 コーヒーに含まれるカフェイン、マグネシウム、ナイアシン、カリウム、抗酸化物質などの栄養成分が有効に作用しているのではないかと みられている。

ハーバード大学研究者グループが、コーヒーと糖尿病との関連を調べた研究15件を 分析したところ、コーヒーを多く飲むほど糖尿病の危険性は低くなることが分 かったと報告している。1日6〜7杯飲むグループは2杯未満に比べ、危険性は35%低下 という。4〜6杯の場合、最低量のグループと比べ、28%低いという。(The Journal of the American Medical Association誌)。

以前、医学誌「The Lancet」でも、アムステルダムの研究グループが、1日にコーヒーを 7杯以上飲むグループは、II型糖尿病に罹る危険性が50%減少することをがわかった と報告している(※ただし、1日に2〜3杯では影響は見られなかったという)。


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