【 2006/7 】

必須微量ミネラルのマグネシウム、喘息緩和に関与

昨年7月、日本で食育基本法が施行され、今年3月、食育推進基本計画が公表された。基本法の根幹にあるのが、「健全な食生活を実践することのできる人間を育てること」。 幼児期から適切な栄養摂取を心がけ、生活習慣病を防ぐ食習慣を早くから身につけることが重要とされている。また、幼児期のアトピー性皮膚炎や喘息などアレルギー性疾患についても、食習慣の見直しにより改善が期待されている。

喘息緩和については、マグネシウムが有用であるという研究報告が、最近のEuropean Journal of Clinical Nutrition誌に掲載されている。 University of CampinasおよびUniversity of Sao Pauloの研究者グループによるもので、軽度の持続的喘息小児患者(7〜19歳)37人のうち、18人にマグネシウム(300mg/日)、19人にプラセボを与えたところ、2ヶ月後、マグネシウム摂取グループでは、喘息症状の継続期間が平均28%短縮したことが分かったという。
マグネシウムは、玄米、胚芽米など未精製の穀類、海藻類、緑黄食野菜、アーモンド、抹茶などに多く含まれている。不足すると痙攣やしびれ、筋力の低下、注意力散漫、うつ状態、不整脈といった症状があらわれるといわれている。


この他、マグネシウムについては、子どもの肺機能に深く関わるという報告もある(American Journal of Epidemiology誌)。 南カリフォルニア大学の研究グループが、1998−99年に南カリフォルニアの学校に 通学する11歳から19歳の2,566人を対象に、食生活につい てヒアリング調査を行い、呼気量や肺活量を計測したところ、マグネシウム摂取が最も低 い女子グループは高いグループに比べ、呼気量が少なく肺活量は75%だったという。

また、マグネシウムについては、イギリスの研究者グループが慢性疲労症候群(CFS)との関連性を調べた結果を発表している。それによるとCFS患者32人のうち15人にマグネシウムを、17人に偽薬を与えたところ、マグネシウムグループではエネルギーレベルが上昇、感情の状態や痛みの緩和などの報告があったという。

注意力欠如障害(ADD)に関する研究も行われている。多動障害を示す4歳から13歳までの50人を調べたところ、マグネシウム、亜鉛、銅、鉄分、カルシウム濃度が低いことが分かっている。


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