【 2007/5 】
注意欠陥多動性障害(ADHD)にミネラルやオメガ3脂肪酸が果たす役割
5月15日付けの朝日新聞によると、鬼頭昭三医師(幸生リハビリテーション病院)らによるラット実験で、受動喫煙が注意欠陥多動性障害(ADHD)のリスクを高める可能性が示唆されたことを日本神経学会で報告したという。
研究では、母の胎内および出生直後に受動喫煙したラットは、していないラットに比べ、行動時間や行動距離が1.5倍、認知度テストの失敗も約1.5倍多かったという。
近年、子供の精神疾患として注意欠陥障害(ADD)や注意欠陥多動障害(ADHD)が注目されている。
アメリカでは子供の4%がADHDと言われ、20〜30人のクラスに1人の割合になる。最近では、成人の発症も問題になっている。
精神性疾患の原因特定は非常に困難で、上記のような環境要因、遺伝子要因のうちの一つの場合もあれば、いくつかが重なって発症する場合もある。
こうした疾患には薬剤治療が一般的だが、子供への薬剤投与には賛否両論ある。子供に対する長期的投薬の影響
についての研究が少ないことや副作用への心配がその主な理由だ。そうした中、
栄養素を治療に応用する研究が盛んに行われている。
ADHDの場合、患者の血中でとくにマグネシウム、亜鉛、鉄分などのミネラル類が低濃度であることが指摘されている。
子供のADHD患者116人を調べた研究(1998年)
では、うち75人にマグネシウム欠乏が見られた。また、ADHD患者116人(男子94人、女子20人)
を調べた研究(1997年)では、95%にマグネシウム欠乏があった。患者18人(6〜12歳)を調べた研究(1990年)では、亜鉛濃度が患者ではない子供
より低かったことが分かっている。
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