【 2007/6 】
脳のコレステロール、脳機能アップに関与
健康管理の食事対策でなにかと槍玉に挙げられることの多いコレステロール。6月14日付けの朝日新聞で、コレステロールと脳機能の相関が報じられている。
それによると、産業技術総合研究所関西センターの小島正己主任研究員や科学技術振興機構の鈴木辰吾研究員らのグループが、ラットの大脳皮質の神経細胞を培養し、たんぱく質(BDNF)を加えたところ、神経細胞のコレステロールが増え、情報伝達物質を受け渡ししやすい状態になったことがわかったという。
研究者らは、アルツハイマーの治療薬の開発に役立てたいとしているという。ただ、日頃の「食」による体内のコレステロール製造と脳のそれとは別で、血中コレステロールと脳機能との相関については定かではない。
これまでコレステロールは、とかく悪者扱いされてきたが、少なすぎてもダメで、ある程度なければいけないことが分っている。血管に溜まる一部のLDL(悪玉)コレステロールは良くないが、HDL(善玉)コレステロールは多いほうが良いといわれている。
LDL(悪玉)コレステロールは活性酸素により酸化LDLコレステロールとなり、血管壁に溜まり、血管壁が破れやすくなる。そこに血栓が生じると、血行障害がさらに進む。
米国でのコレステロール対策については、1998年11月に米食品医薬品局(FDA)が大豆プロテインを含む食品に「心臓の健康に効果的」といった内容のラベル表示の認可を与える意向を示している。大豆プロテインがコレステロール値を低下させ、心臓病の危険性を軽減することを認めている。
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