近年、作物の効率的大量生産を目指す栽培・採取から農薬散布が盛んに行われ、土壌から十分なミネラルが吸収できなくなった。加えて、食材を加工し、食物繊維やビタミン・ミネラルといった代謝調整に関わる貴重な成分を削ぎ取っていった。糖尿病はカロリー偏重による現代栄養学が招いた代謝異常疾患であるといっても過言ではない。
とはいえ、ミネラルの摂取には慎重を要する。微量元素のセレンは、亜鉛やクロムと同様、糖代謝の改善に関与し、糖尿病予防に役立つとみられてきたが、セレンサプリメントを長期摂取した場合、II型糖尿病の危険性を増大させるという研究報告が、Annals of Internal Medicine誌07/7月号に掲載されている。Warwick Medical School研究者グループが、600人にセレン(200マイクログラム/日)を、602人にプラセボを7.7年間与えたところ、セレングループから58人が糖尿病を発症したことが分かったという。プラセボグループは39人だった。
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