今回、日本の研究で乳製品と前立腺がんリスクの関係が明らかになったが、すでに欧米では10年ほど前から同様の報告がある。また、アメリカでは数年前から、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸が心臓の健康を損ねるとし、米国ニューヨーク市保健委員会が、市内の飲食店にを1食あたり0.5g未満にするよう、罰則規定を定めている。トランス脂肪は、「悪玉コレステロール」といわれる低密度リポタンパク(LDL)を増加させ、「善玉コレステロール」の高密度リポタンパク(HDL)を減少させる。
最近の報告でも、American Journal of Epidemiology誌4月号によると、University of Paris-SouthのFrench national scientific research center研究者グループが1995〜1998年に食習慣および生活習慣調査に応じた女性25,000人からデータを集め経過観察を行った(この間、363人が乳がんと診断)ところ、トランス脂肪値が最も高いグループは最も低いグループに比べ、乳がんリスクが2倍になることが分かったという。また、オメガ3脂肪酸については、影響は見られなかったという。
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