【 2008/6 】

喫煙による肺がんを予防、フラボノイドやマグネシウム
6月4日、厚生労働省が「平成19年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を公表した。それによると、平成19年の死亡数は110万を超え、前年より2万人を上回ったという。死因のトップは悪性新生物(がん)で、3人に1人の割合。以下、心疾患、脳血管疾患と続く。悪性新生物では肺がんが第1位で、平成5年以降、胃がんを抜いてトップに立っている。

米国では90年代後半に、肺がん罹患の原因の85%は喫煙によるとの見解から、徹底した禁煙キャンペーンを実施し、成果を挙げている。

喫煙は当事者だけでなく、非喫煙者にも間接喫煙により被害を及ぼす。ニュージーランドの研究グループが、74歳以下の521人の脳溢血の経験者と1,851人の健常者を対象に、直接および間接喫煙の脳溢血リスクを比較したところ、喫煙者は非喫煙者(間接喫煙者を含む)と比べ、脳溢血のリスクが4倍高いことが判った。さらに喫煙者は完全非喫煙者(間接喫煙者を除く)と比べると、脳溢血のリスクが6倍高くなることが判ったという報告もある。
肺がん予防には、禁煙や間接喫煙を避けることが欠かせないが、Cancer最新号で、フラボノイドが喫煙者の肺がん予防に有用であるという記事が掲載されている。
UCLA Jonsson Cancer Center研究者グループが、肺がん患者558人と健常者837人を対象にフラボノイド摂取に関する調査を行ったところ、茶カテキンの主要成分であるエピカテキンやケルセチン、ケンフェロールなどに有意な予防効果が見られたという。エピカテキンの場合、摂取量を1日に10mg増やすと肺がんリスクが36%低減、ケルセチンは9mg増で35%、ケンフェロールは2mg増で32%のリスク低減だったという。

また、Archives of Internal Medicine最新号で、マグネシウムが喫煙男性の卒中リスク低下に有用であることを報じている。
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