【 2008/8 】

野菜・果物、食道がんのリスクを低下

厚生労働省研究班の調査で、野菜・果物の摂取量を増やすと食道がんのリスクが低下することが分った。研究は、1995年と1998年に、岩手、秋田、長野、沖縄、茨城県など9県に住む人々を対象に、生活習慣についてアンケート調査を実施。うち45〜74歳の男性約39,000人については、2004年まで追跡調査した(約8年の追跡期間中に116人が食道がんと診断)。

アンケート調査から、野菜・果物の1日当たりの摂取量を、高・中・低の3グループに分類し、食道がんのリスクを比較したところ、野菜・果物の高摂取グループは、低摂取グループに比べ食道がんのリスクがほぼ半減していたことが分かった。また、野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増えると、食道がんのリスクが約10%低下していたことが分かった。

今回の研究で、研究者らは、野菜や果物の摂取量が増えると、食道がんのリスクが低下傾向にあることが分かった、としているが、野菜によるがん予防ではブロッコリーなどのアブラナ科野菜が知られる。最近の報告でも、ブロッコリーが膀胱がん予防に有用であると、Cancer Research誌08/3月号に掲載されている。

Roswell Park Cancer Institute(ニューヨーク)研究者グループによるもので、メスのラットに通常のエサを2週間与え、その後、3グループにN-ブチル-N-(4ヒドロキシブル)ニトロソファミン(BBN)により膀胱がんを誘発させた。その前に、2グループには少量か多量ブロッコリーエキスを与えておいた。結果、BBNのみを与えたグループでは96%に様々なサイズの腫瘍が平均2ヶ所にできていた。

一方、ブロッコリーエキスを多量与えたグループでは、腫瘍のできる割合が58%少なかったという。

また、少量与えた方でも与えなかったグループに比べ、腫瘍のできた割合は22%少なかったという。

野菜・果物については、各種疾患に対しても予防効果が報告されている。最近の研究では、Archives of Internal Medicine最新号で糖尿病への有用性が報じられている。

Addenbrooke's Hospital研究者グループが、21,831人の男女(平均年齢58.4歳)を対象に食品頻度調査を行い、血中のビタミンC濃度と糖尿病の関連性を調べた。経過観察期間は12年。

結果、血中濃度の最も高い群は最低濃度群に比べ、2型糖尿病リスクが62%低下したことが分かった。

また、果物・野菜の高摂取群(男性459g/日、女性550g)は低摂取群(男性289g、女性382g)に比べ、リスクが22%低下していることが分かったという。


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