【 2008/10 】
野菜・果物の多量摂取、メタボ対策に有用
10月20日付けの朝日新聞で、長生きのためには、高齢男性の場合、少し太めのほうがいいと報じている。調査は、筑波大、独協医科大などのグループが93-03年の間、茨城県に住む40〜79歳の男性3万2千人、女性6万2千人を対象に、体形と死亡率の関係を年代別に調べたという。
肥満の判定はBMI指数で診る方法があり、BMI18.5〜25未満が標準とされている。調査では、男性40〜50代でBMI23・4、60〜70代でBMI25・3の人が死亡率が最も低いことが判明。高齢男性では少し太めのほうが栄養状態が良いなどで死亡の可能性が低いことが分かったという。
BMI指数では25以上は肥満と評価され、メタボリック対策の指標にもなる。9月21日(日)、日本食品機能研究会で、「メタボリックシンドローム・正しい理解とその対策」をテーマに、健康フォーラムを開催したが、この中で、池田義雄氏(日本生活習慣病予防協会理事長・医学博士)が 「生活習慣病とメタボリックシンドローム」と題して講演。「中高年者における内臓脂肪型肥満は男女を問わず高血圧、糖尿病、血清脂質異常を誘導し、重なると、メタボリックシンドロームが生じる」とし、肥満対策の必要性を強調した。
また、メタボ対策には食生活をはじめとした生活習慣の改善が欠かせないが、済陽高穂氏(トワーム小江戸病院院長・医学博士)がメタボ対策の食事療法として、「ゲルソン療法」を推奨。これは、動物性食を制限し、野菜・果物を多く摂る食事療法で、人体での栄養物の吸収や代謝の正常化に役立つ。免疫能や自然治癒力がアップすることから、メタボリックシンドローム患者の約8割に有効性があるという。
野菜・果物の摂取は悪玉コレステロールの低下や肥満改善に役立つことはこれまでにも報告されている。最近の研究では、The Lancet Oncology誌08/11月号に、食内容や生活習慣は細胞の老化に影響するという研究報告が掲載されている。
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