【 2008/12 】

糖尿病予防、ビタミンDやCに有用性報告

12月25日、厚生労働省が「平成19年国民健康・栄養調査結果の概要について」を発表した。調査は昨年11月、6,000世帯の18,000人を対象に行った。

それによると、「糖尿病が強く疑われる人」は約890万人。「糖尿病の可能性が否定できない人」は約1,320万人で、いわゆる糖尿病予備群は、約2,210万人と推定されるという。

判定基準は、「糖尿病が強く疑われる人」が、ヘモグロビンA1cの値が6.1%以上、「糖尿病の可能性を否定できない人」が、ヘモグロビンA1cの値が5.6%以上、6.1%未満、としている。 「平成14年糖尿病実態調査」での糖尿病予備群は約1,620万人であったが、今回の調査で、36%増となったことが明らかとなった。

今回の調査で、「糖尿病が強く疑われる人」の約4割が、「ほとんど治療を受けたことがない」と回答しており、糖尿病や合併症を軽んじている状況も浮き彫りになった。また、対象者の約9割が、「正しい食生活と運動習慣は、糖尿病の予防に効果がある」と回答しているものの、日頃のライフスタイルで、糖尿病対策をなおざりにしている傾向も見受けられた。

糖尿病には、T型(インスリン依存)とU型(インスリン非依存)がある。T型は膵臓のβ細胞が免疫異常などで破壊され、インスリン分泌ができなくなり、主に幼児から15歳以下の小児期に発症することが多い。U型は、遺伝素因以外に、栄養の偏り、運動不足、ストレスなどが原因で、インスリンの分泌および作用低下により発症する。糖尿病のほとんどがこのU型だ。

糖尿病に関する最近の研究では、ビタミンDが糖尿病発症に深く関与していることが、The Journal of Pediatrics誌08/12月号で報告されている。Harvard Medical School研究者グループらが、18ヶ月から17.5歳までのI型糖尿病患者128人の血清中ビタミンD値を調べたところ、十分な濃度を示しているのはこのうちの24%だったという。

また、年齢が高くなるにつれ、ビタミンD不足の割合が多くなり、青年期の85%がビタミンD欠如を示していたという。

日頃の食生活では、ビタミンCや野菜・果物の摂取増が糖尿病対策に有効であることが報告されている(Archives of Internal Medicine誌08/8月号)。

Addenbrooke's Hospital研究者グループが、21,831人の男女(平均年齢58.4歳)を対象に食品頻度調査を行い、血中のビタミンC濃度と糖尿病の関連性を調べた(経過観察期間は12年)ところ、血中濃度の最も高い群(男性1.10mg/dL、女性1.29mg/dL)は最低濃度群(男性0.56mg/dL、女性0.77mg/dL)に比べ、U型糖尿病リスクが62%低下したことが分かったという。

また、果物・野菜の高摂取群(男性459g/日、女性550g)は低摂取群(男性289g、女性382g)に比べ、リスクが22%低下していることが分かったという。


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